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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「名波浩コーチは日本代表で何を教えているの?」最速W杯決定の“縁の下の力持ち”コーチ陣の役割とは…「CKはクラブより代表がやりやすいくらい」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/30 17:00
伊東純也とともに、現在、主にコーナーキックを蹴っている久保建英。今の代表のコーナーキックのデザインはカタール後に加入したコーチ陣の働きが大きい
「私自身のことで言うと、視点が変わったと言えばいいのか、より広くチームを見られるようになったとは思います。自分で練習も見ていた頃は、ピッチに集中する一方で記者会見があったり、ミーティングがあったり、チーム内でも個別にコミュニケーションを取ったりする中で、どうしても時間的な制約が出てきて、ある面で薄くなることもありました。
ですがコーチ陣の力を借りながら分業制にしたことで、選手に対してはコーチから広く深くチームの戦術であったり、グループや個々の役割を伝えてもらえている。以前に比べて選手がより思い切ってプレーできる環境になったとは思います」
森保監督「任せるところは任せる」
指揮官はさらに続けた。
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「これはコーチだけではなく他のスタッフも同じなのですが、それぞれの立場でチームが勝つために何をすれば、その確率を一番上げられるのか。そうやって考えていくことが重要だと思っています。だからコーチに任せるところは任せるし、その結果、色々と修正すべきところがあれば、そこは自分が広く見られるようになった分、修正していけると思っています。これは大きなメリットかなと。
もちろん目標だったり、指針は日々共有していますが、本当に私が何もやっていないと言ってもいいぐらい任せられますし、信頼しています。大きなところを決めて、そこからどうやってチームを機能させるかについて選手に役割を伝える等々はコーチの仕事になっています」
新たな指導から生まれた得点力
新しいコーチの指導力が、チーム作りに生かされていることは、これまでの活動で見て取れた。例えば名波コーチ。攻撃の局面におけるサイドの活用やポケットの攻略法をチームに落とし込んできた。その効果はそれが全てではないものの、8試合で24ゴールという圧倒的な得点力に表れている。
さらにチームのポジティブな変化を示すのが、第1次体制でほとんど手つかずだったスローインだ。

