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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「名波浩コーチは日本代表で何を教えているの?」最速W杯決定の“縁の下の力持ち”コーチ陣の役割とは…「CKはクラブより代表がやりやすいくらい」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/30 17:00
伊東純也とともに、現在、主にコーナーキックを蹴っている久保建英。今の代表のコーナーキックのデザインはカタール後に加入したコーチ陣の働きが大きい
意外な弱点、スローイン
カタールW杯ではスローインからロストする場面が多く、チームの課題の一つになっていた。実際、指揮官が外からチームを見て気付いた改善点を聞きたいと問うと、名波コーチはその一つとしてスローインに言及したという。そして新体制が始動した2023年3月、名波コーチ指導のもと、早速チームはスローイン練習に取り組んだ。
スローインからスタートする3対3+フリーマン1人(7人1組)というメニュー。コーチ陣がボールボーイ役を務め、実戦を想定した連係の確認が繰り返された。
そもそもスローインは攻撃側のスロワー1人がライン外に出るため、フィールドプレーヤーの数は1人減って9人となる。一方で守備側は10人。数字上は守備側が優位になる状況を踏まえてプレーを選択しなければ、ボールはつながらない。
伊東純也の実感
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「(カタール)W杯のときもスローインから奪われることがあったし、クイックで始められないときに、ただ前に投げて跳ね返されることもあった。ミーティングで(そのことを)言っていて、そういうところを修正できればということでした。うまく外してワンタッチで展開したり、スローインはやっぱり大事なので」
こう説明したのは伊東純也だった。きっちりトレーニングすればスローインは格段に向上するというのがJクラブの監督時代から名波コーチの持論だ。第2次体制のスタート当初はボールの保持をテーマとしていたこともあり、マイボールで始められるリスタートにこだわった。
以降もスローイン練習は続けられ、今では簡単にロストするシーンをほとんど見なくなった。チーム力を高めるために細部を疎かにしないという姿勢は、森保監督が一貫して求めているものだ。
前田コーチの役割
前田コーチの存在もまた、チームにポジティブな効果を生んでいる。最終予選で挙げた24ゴールのうち5ゴールがコーナーキックから記録されている。以前よりも着実にセットプレーの質が向上している証だろう。


