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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「ドジャース佐々木朗希は“回転数”が心配だね…」NHK解説者が指摘する、“あの完全試合”の時との決定的な差「約400減っている数字」
text by

沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/28 18:31

3回を投げて5四球と制球に苦しんだ佐々木朗希のメジャー初登板。解説者の目にはどう映っていたのか
「カブス戦での佐々木の回転数は平均2058で、最大でも2176ほど。メジャーの投手の平均は約2280回転だから、やや少ない。ちなみに、佐々木が完全試合を達成した時は2450回転くらいだから、もっと回転数を上げることが課題だと思うね」
では、回転数を上げるにはどうしたらいいのか。
「グリップ力だね。俺はボールを離す時にグッと押し込むことを意識するように選手には伝えている。ストレートが走っている投手は、投げ終わったあと親指に人差し指や中指の爪が刺さったりするんです。それくらいグリップしているということ。ただ、グリップを意識すると肘に負担がかかって、怪我をしやすい。そのバランスが難しいけど、うまく回転数は上げてほしいね。ただ、フォークも落ちているし、初回のように100マイル以上を投げられたら、結果は出てくると思うよ」
「盗塁はそこまで気にしなくていい」
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バッターとの勝負については、佐々木の今後は楽観できそうだが、筆者が気になるのはランナーへのケアだ。今回の試合で佐々木は2つ盗塁を決められており、いずれも完璧にタイミングを盗まれていた。
「佐々木は足を大きく上げないと投げられないタイプだから、そこまで気にしなくていいんじゃないかな。ランナーにある程度のケアは必要だけど、気にしすぎて、球威が落ちたらあまり意味がないしね。そもそもメジャーのルールでは、3回目の牽制でアウトにできなかったら、ボークで進塁になる。だから誰も3回目の牽制をしない。ランナーは、2回牽制が来たら、あとはもう安心して走れるんですよ。その心理を逆手にとって、3回目の牽制をする投手が出てきてほしいんだけどね」
「山本はサイ・ヤング賞を期待しています」
続いては、ドジャースで佐々木の前日に登板した山本。5回1失点、被安打3の投球を、武田氏は絶賛していた。
「山本由伸はストレートがよくなってる。シュート回転しなくなって、低めに突き刺さるみたいな真っ直ぐだね。去年、韓国でデビューしたときとはまるで別人。1点は取られたけど、味方の打線がいいから気持ちに焦りが見えない。のびのび余裕を持って投げている感じがある」
山本の好投を受け、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督がサイ・ヤング賞受賞を期待するようなコメントが見られたが、武田氏も同意見だ。