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「こんなメイクしてJKもないでしょ」高校卒業後は“プロレス一本”に…吏南18歳が語る覚悟「10代のうちにスターダムでトップを取る」《特別グラビア》
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/03/28 17:03
3月に高校を卒業したスターダムの「ピンクデビル」吏南。とがった18歳は「10代のうちに赤いベルトを取る」と豪語する
「10代のうちにスターダムでトップを取る」
宇都宮でキッドの牙城を崩すことはできなかった。もし白いベルトを取っていれば、渡辺桃の持つ記録を塗り替えて史上最年少での戴冠になったのだが。
「キッドの言っている厳しさはわかったつもり。負けはしたけれど、つかんだものはあるので、トップを取るのはそう遠くないんだな、と感じました。これからにつながる負けだった。悔しかったですけどね。昨年はフューチャーやNEW BLOODで一番タイトルマッチを多くやって結果を残してきたけれど、今年はまだ結果を出せていない。今は結果に恋しています。『いい試合』『よかった』じゃ、納得いかないんですよね」
当然だが、吏南は勝利を求める。
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「目標? 10代のうちにスターダムでトップを取る。これだけ選手がいる中で、10代の選手がトップを取ってスターダムを引っ張る。面白くない? 羽南とか琉悪夏はもう20歳になっているので、そういう構図って私以外できない。10代で赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)を巻きたい。チャンスをものにできていないので、次は『5★STAR GP』で優勝したいですね」
白いベルトに挑んだ吏南だが、本当に欲しいのは団体最高峰の赤いベルトだ。
「キッドに『オマエ、ずっと後輩の引き立て役でいいのかよ』と言われたのは根に持っているし、キッドが巻いてるから欲しいと思った。白いベルトそのものへの強い思い入れは最初なかった。でも、(木村)花さんが狙ってたベルトは全部巻きたいと思ったのと、今のスターダムの現状をチャンピオンになって変えたいって思った。だから挑戦した。ただ赤よりも下という見られ方はしている。それを今キッドが変えようとしていますけど、やっぱり私は赤いベルトを巻きたい。プロレスを最初に見た時から一番輝いて見えていたベルトです。やっぱり赤ですね」
「ファンに媚びたくない」18歳のプライド
吏南はプロレス界の空気を敏感に察知している。
「最近は風潮として、顔やビジュアルからでもプロレスを知ってほしいみたいなのがありますよね。プロレスの入りとしてそれはすごく良いと思ってる。でも、そうじゃなくて、やっぱり私は私のプロレスを世間に届けて、『いいな』と思ってほしい。届けられるくらいの影響力をつけたい。この間、週プロ(週刊プロレス)の投票でランクインしてたんですよ。それはうれしかった。でも投票してください、なんて言いません。ファンに弱さを見せたくない。媚びたくない。泣くのも嫌なんです。この間、シンデレラでちょっと泣いちゃったんですけど、ダサいなって思いました。嫌なんです。情で応援されたくない。自分のプロレスで『魅力的だなあ』と感じてもらって、トップになって支持を得たい。変なプライドですよね」


