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「陸上は年間通してシーズンなので…」なぜ実業団は青学大・原晋監督の“挑発”に乗らなかった? 史上初の実業団vs大学レース…エキスポ駅伝ウラ話 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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posted2025/03/24 06:01

「陸上は年間通してシーズンなので…」なぜ実業団は青学大・原晋監督の“挑発”に乗らなかった? 史上初の実業団vs大学レース…エキスポ駅伝ウラ話<Number Web> photograph by JIJI PRESS

史上初の大学と実業団による対抗レースとなったエキスポ駅伝。結果は実業団のトヨタ自動車が圧勝だったが、様々な課題も見えてきた

1カ月後に代表を争う日本選手権が…

 また、先に目を向ければ約1カ月後の4月12日には1万mの日本選手権がある。今秋の世界選手権東京大会の日本代表の座がかかった大事な一戦だ。

 その優勝候補にも名前が挙がるのが3区区間賞の太田智樹(トヨタ自動車)だ。

「手を抜いたとか余裕を持って走ったとかではなく、今出せる力はしっかり出せた。調子自体はまだ上げられると思っています。1回出し切ったので、疲れを取りつつ(日本選手権に向けて)しっかり準備していきたい」

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 太田は昨年、駒澤大の大八木弘明総監督が率いるGgoatで田澤廉や鈴木芽吹(ともにトヨタ自動車)と練習を共にしており、今年も日本選手権に向けて、現在アメリカ・アルバカーキで合宿をしているGgoatの練習に参加する選択肢もあったはずだ。

 だが、太田はそうはせず、後輩の吉居大和と共に奄美大島で合宿を実施し、このEXPO EKIDENに臨んだ。太田ほどの実力者だからこそ、この駅伝でもハイパフォーマンスを発揮できたが、熊本監督が「日本選手権に向けて今、合宿を行っている選手もいる」と話したように、日本選手権に向けてEXPO EKIDENを回避した選手もいた。

 今大会には、実業団の強豪Hondaが出場を見送ったほか、ニューイヤー駅伝を制した旭化成と同10位のKaoが直前に出場を辞退している。

 複数の選手が体調不良や故障によるコンディション不良で、7人のオーダーを組むことができなくなったことが理由だったが、致し方ない判断だったかもしれない。

 メンバー編成が難しかったのは、大学のチームとて同じだ。例えば、7位に終わった青山学院大もベストメンバーにはほど遠かった。

【次ページ】 大学チームもメンバー構成に四苦八苦

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