ダイナミック・プライシングに逆オークション…話題のMLB開幕戦チケット“転売ヤー”対策に名案はある？「法律のみで撲滅するのは不可能」 

　アメリカまで行って大谷の試合を観戦すれば、航空券とホテル代で最低30万円程度はかかる。そう考えれば、定価1万円のチケットを転売市場で20万円で購入することも厭わないという人が少なくないことは容易に想像できる。

　そして、この定価と市場の均衡価格の差こそが、転売ヤーにとっての利鞘となるのだ。

　ならば、はじめからチケットの定価を現状の20倍に設定していれば、転売行為による利鞘は現状よりも大幅に少なくなるため、転売ヤーの活動もより消極的になったはずだ。

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　本国アメリカでMLBのチケット販売で導入されているダイナミック・プライシングもそうした試みの一つだ。試合の人気度によってチケットの販売価格を上下させることで、完全ではないものの市場の均衡価格に近づけようとするものだ。

　ただ、実際の均衡価格は販売してみるまで正確にはわからない。シーズンを通して試合が行われるアメリカとは異なり、特別イベントとして開催される今回の東京シリーズはなおのことだ。

大谷以外にもベッツら日本でも人気のビッグネームも来日する東京シリーズ　©Nanae Suzuki

転売ヤーの「利鞘」を潰すための方法は？

　それでも、ほぼ確実に転売ヤーの利鞘を潰すことができる販売方法も存在する。

　オークション形式で、各クラスのチケットをより高い金額で入札した人から順に販売していくのだ。これにより、どの価格で購入したとしても、それ以上の価格を出せるという人はすでに購入済みであるため、転売で利鞘を稼ぐことは理論的には不可能だ。但し、オークション終了後にチケットの需要が著しく高まるような場合はその限りではない。

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