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「監督を辞めた今だから話せるけど…」立浪和義が“最後の試合前”に漏らした本音「志半ばなんだろうな、と」中日OBが語る“ホームランテラス設置”の効果
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岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/14 11:03

昨季まで3シーズン、中日を率いた立浪和義
「憎くてやるわけじゃない。反発心に期待したけど、効果が出なかった。俺は球場に行くと、必ず立浪のところに行ってたの。用事がなくても、愚痴を聞いてやろうかなみたいな感じで。辞めた今だから話せるけど、『選手たちは何を言われてもへっちゃらなんですよね』とこぼしてたね」
最後の試合前…立浪が漏らした“本音”
監督1年目を終えた22年オフ、立浪は阿部寿樹、京田という二遊間のレギュラーを放出して改革に乗り出した。その理由を聞かれ、低迷の続く中日に想いを馳せた。
〈勝つために変えていくことを自分はやらないといけない。3年で終わるかもしれないけれども、それでも後にそうなれるようなチームにしていくのが使命〉(2022年11月25日配信/日刊スポーツ)
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契約期間の3年に捉われない姿勢で、ドラゴンズを再生しようとした。そして昨年、セカンド・田中幹也、ショート・村松開人というプロ2年目の新星が躍動した。
「見ている限り、立浪監督は厳しい姿勢を3年間、曲げなかった。やっぱり、頑固な性格だなと思ったね。方向転換してもいいんだぞとは感じたけど、若い選手に役に立った部分もあるでしょう。彼らにとって、今までにないタイプの指導者だったはずだから」
立浪は現役時代を共に過ごし、中日のOB会長も務めた孝政には本音を漏らしていた。
「最後の試合前、会いに行ったら『この仕事はもういいです』と言ってましたね。どんな意味合いがあるのか。悔いはないという気持ちかもしれないけど、志半ばなんだろうなと感じたけどね」
井上一樹新監督はどんな人?
勝つか引き分けで5位、負ければ6位の最終戦、松木平優太が4回にDeNA京田にタイムリーを浴びると、打線が沈黙したまま、0対2で敗北。立浪監督は3年連続最下位に終わり、後任には井上一樹が二軍監督から昇格した。
「一樹は選手と距離感が近いし、今の若手の気質に合っているかもしれない。阪神でもコーチを務めて経験も豊富だし、言葉も巧みに操る。ただ、単なる話上手だけじゃダメだからね。星野(仙一)さんのように、選手を乗せる“言霊”を与えられるかどうか」
貧打解消へ朗報も飛び込んできた。