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「これは…ちょっとものが違う」ロッテのドラ1ルーキー西川史礁“最初の一振り”で吉井監督が見抜いた才能「一流だけが自然に出来る」ある動作とは
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/03/10 11:01
ロッテの注目ルーキー西川
周りの高評価は嬉しいが、浮かれることなく冷静に自己分析をしながら着実に前に進む力を備えている。
今は長所である積極的なフルスイングを生かしながらも、逆方向への打球を増やすことでヒットの可能性を広げることに取り組んでいる。首脳陣は、プロの様々な変化球に対応するためにも打つポイントを現在よりも少しでも後ろにすることで、ボールを見られる時間を増やすことも求めたいと考えてはいるが、それはもう少し長いスパンで少しずつ加えていけばいいという試算を持っている。
ロッカーに戻ると目を輝かせて…
首脳陣の期待は3月6日、ZOZOマリンスタジアムでのカープとのオープン戦本拠地初戦に3番中堅でスタメン出場するという起用に表れていた。西川もその期待に応えようと2安打1打点。1回、右翼線への二塁打を記録すると、5回の第3打席では左翼線への二塁打も放ってみせた。
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印象的だったのは試合後、ロッカーに戻ってきた西川の表情だ。目を輝かせて喜び、こう話した。
「プロ入りして一つ、印象に残った場面を言えと言われたら今日。ここで野球を出来ることが凄く幸せに感じた。ZOZOマリンスタジアムのファンは熱い声援を送ってくれる。本拠地で試合が出来ることにワクワクもしたし緊張もした。終わってみるといい一日になった」
忘れない「感謝」の思い
西川が大事にしている言葉は「感謝」である。
「昔からずっと感謝の気持ちは大事にしています。誰かに言われたわけでもないけど、そう思う。野球をやっている間はずっと。色々な人に支えられている。すべての人に感謝です」
だから、いつも支えてくれるファン、スタッフへの感謝の言葉を忘れない。石垣島キャンプでは取材が殺到したが、その一つ一つに「注目してくれているのはありがたいことです」と言い、丁寧に対応をしていた。
マリーンズの新しい背番号「6」の伝説は、指揮官も驚嘆した鮮烈なフルスイングから始まった。ここからどのようなストーリーが生まれていくのか。誰もが楽しみになるルーキーがプロの道を歩み出した。


