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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
日本一奪還へ“最大の補強”か…11年ぶり巨人復帰の橋上秀樹作戦戦略コーチが語る“ジャイアンツの野球改革”「打てないことを前提に戦う」の真意とは
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/03/04 17:00
阿部慎之助監督の要請で11年ぶりに巨人に復帰した橋上秀樹作戦戦略コーチ(59歳)が今季のジャイアンツの野球について語った
「僕は感性を活かせる幅は十分にあると思っています。データといっても、そこには様々な角度からのデータがあるわけです。守備にしても攻撃にしても、全てのプレーにおいてデータというのはある。その中でバッティングに関して言えば、どのデータを用いたらいいのかっていう選択の余地が残ってるわけです」
――例えば?
「バッターサイドから言えば、データとして相手ピッチャーのコースの傾向を知りたいバッターもいれば、球種の傾向を知りたいバッターもいる。それだけでも違います。あとはピッチャー主体の考え方を優先したデータを採るのか、それとも状況に応じた配球で考えるのか。大まかに言えば状況による傾向、バッテリーの持っている傾向、対バッターに対する傾向、とこの3つの配球を軸に、その3つの中からどのデータを重視するのかというのでもだいぶ違うんですよね」
心理を読み合いに野球の楽しみは残っている
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――そういうデータをどう組み合わせて配球を読んでいくか。
「それだけでもやっぱり選択とか相手の心理を考える余地は残っていると思います」
――心理の読み合いですね。
「はい。心理です」
――データを軸にしてもお互いに心理を読み合うことは不可欠で、そこに野球の駆け引き、面白さがある。
「はい。だから私はそういう駆け引きというか、読み合いに野球の楽しみは残っていると思うんです。野村さんの野球というのもそういう感じですよね。基本的にはキャッチャーの発想です。バッターという立場で投手との対決を見るときにもバッテリー心理、特にキャッチャー心理っていうのを理解して、先読みできるようになると配球は読みやすくなると考えていましたから。前回、僕がジャイアンツのユニフォームを着ていた当時の阿部選手にも『あなたはキャッチャーなんだから、キャッチャーの考え方を打席に持っていったら配球を読みやすいんじゃないか』っていう話はしたんですよね」
――キャッチャーの考え方とバッターの考え方は違う?
