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阿部慎之助監督が呼んだ“リーグ連覇の切り札”…作戦戦略コーチが明かす“新生・巨人打線のポイント”「結果として見逃し三振OK」の意味とは

posted2025/03/04 17:01

 
阿部慎之助監督が呼んだ“リーグ連覇の切り札”…作戦戦略コーチが明かす“新生・巨人打線のポイント”「結果として見逃し三振OK」の意味とは<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

阿部慎之助監督の要請で11年ぶりに巨人に復帰した橋上秀樹作戦戦略コーチ(59歳)が今季のジャイアンツの野球について語った

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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SANKEI SHIMBUN

 2024年に4年ぶりのリーグ制覇を達成した巨人が、“連覇の陰の切り札”として招聘したのが、橋上秀樹作戦戦略コーチだ。2012年から14年まで原辰徳監督の下で戦略コーチとして3連覇に貢献し、その後は楽天、西武、ヤクルトなどのコーチを歴任。楽天では恩師・野村克也監督の片腕として「ID野球」をサポートした。データをベースにチーム戦略を立て、投手攻略のための作戦を立案する橋上コーチが、連覇を目指す巨人の野球をどう変えていくのか。

 インタビューの後編では新生・巨人打線のキーポイントを聞いた。<全2回の後編/前編も公開中>

今季の巨人が変わらなければいけないポイント

 まず見てもらいたいのは昨年の巨人と2位・阪神のチーム打撃成績だ。(カッコ内の数字はリーグ順位)

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     巨人      阪神
 打率  .247(2)   .242(5)
 本塁打 81(3)    67(5)
 得点  464(4)    485(3) 
 四球  409(3)    441(1)
 三振  972(5)    1028(3)
 出塁率   .309(4)   .314(1)
 OPS     .658(3)   .641(4)

――昨シーズンのセ・リーグの打撃データを見ると、巨人は打率が2位で阪神は4位ですが、得点を見ると順位はひっくり返って阪神は3位で巨人は4位。ひと言で言えば阪神は安打数に対して効率がいい打線でしたが、巨人は非常に効率の悪い打線になっている。この辺が今季の巨人が変わっていかなければならないポイントになるように見えます。

「阪神がいま現在どういう考え方で、どういうミーティングをやっているかは判らないですけど、数字を見る感じでは13年前の2012年のジャイアンツに似てるところがあると思うんです。簡単に言えばフォアボールが多く、それが出塁率の高さにつながり、得点効率を上げている。私も13年前に巨人に来て、まずそこに着目しました。結果として前年からフォアボールが100個以上(323個から455個と132個増)増えたはずです。そうなれば出塁率も上がります」

――四球数を増やしていく。言葉では簡単ですが、具体的にどういうことに取り組んでいかなければならないのでしょうか?

【次ページ】 結果として見逃し三振はOK

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