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「水着の中に手を入れられ…」「新人は触られ放題」10代で全女に入団したアイドルレスラーの告白…小倉由美が明かす、過酷な“長与千種の付き人”時代
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伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byL)東京スポーツ新聞社、R)Shiro Miyake
posted2025/02/21 11:15
全日本女子プロレスでデビューし、ドラマ「輝きたいの」にも出演した元女子プロレスラー・小倉由美さんのインタビュー(第1回)
「水着の中に手を入れられて…」「新人は触られ放題」
――胃も痛くなりますね。芸能ではなく、リング周りで新人選手が気を揉むのは、セコンド全般でしょうか。
小倉 あのころは、大変ですよ。(花道で)自分はいくら触られてもいいんですけど。
――もう、そういう感覚になってしまっている。
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小倉 そう。触られても、なんとも思わない。もう、自分の意思はないので。先輩を守ることに精いっぱいで、花道の左右から出てくる手をとにかく振り払う。どこに行っても超満員で、毎日「大入り袋」をもらってたので、新人の自分たちは触られ放題なわけですよ。
――昔の映像を見ると、小倉さんもかなりブチギレてますよね。
小倉 怒りますよ。あのころは大勢いた先輩たちが触られたら、私たちが殴られますから。危ないものも、いっぱい花道とかリングに投げられるんですけど、先輩たちは投げた客をよく見てるんですよ。「2階席の赤色のTシャツのやつだ! 探してこい」「はーい!」みたいな(笑)。捕まえて、何十人も控室に連れていきました。
――連れていかれたファンは、どうなるんですか。
小倉 殴られてました。
――それが松永4兄弟(全女を創業した松永健司、高司、国松、俊国)にバレて、禁止になったんですよね。
小倉 そのファンが偶然、興行師の関係者だったんですよ。それで大変なことになりまして、以降はなくなったのかなぁ。
――クラッシュのファンは女子中・高生ばかりでしたけど、それでも殴られちゃうんですか。
小倉 女性でもグイグイ来る人はたくさんいましたけど、さすがに女の人には手をあげません。けど、もう毎日のことなので、とにかくいろんなファンはいましたよね。
――連日「大入り袋」が出ていた昭和の全女は、ファンも熱かったですよね。
小倉 そうですね。私は入場するときの花道で、思いっきり水着のなかに(胸を狙って)手を入れられたことがあって……。
〈次々と飛び出した衝撃エピソードの数々……。ファンの“暴挙”に小倉さんはどう対応したのか? さらにインタビュー第2回では、これまであまり語られてこなかった、宇野久子(現:北斗晶)とのリング事故の真実が赤裸々に明かされる――〉
(撮影=三宅史郎)

