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ソフトバンクで異例人事「“32歳の元高校教師”がコーチに…」あの近藤健介から突然のDM「えっ、本物?」異色の野球YouTuber・菊池拓斗とは何者か
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKYODO
posted2025/02/18 06:00
ソフトバンク、今春キャンプの様子。写真は近藤健介と柳田悠岐
「元高校教師」菊池拓斗とは何者?
菊池は福島県出身の32歳。大学まで野球を続けて卒業後は高校教師を務めた。
「富士大学では山川穂高さんの1つ下で、同学年には西武の外崎修汰がいました。僕はずっと控えでしたけど。珍しがられるのですが、子供の頃からの夢が『プロ野球の監督』。そのためにプロ野球の選手にならなきゃと思って子供の頃は野球を頑張っていました(笑)。大学生の時は日本で野球の指導者といえば学校の先生になることしか思いつかなかったので、高校の教員になり野球部の顧問をしていました」
しかし、様々な古臭いしきたりなどを目の当たりにするにつれて、違和感を覚えるようになった。もし、10年間教員のままでこの環境に身を置いたとして、自分のキャリアアップにつながるのか。それで選手を成長させられるのか――。
高校教師を辞めてアメリカへ
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高校教師を3年で辞めて渡米。アメリカにはコーチが個人で野球指導のアカデミーを開講して、それを生業にする環境が整っていると感じたからだった。
「日米の仕組みの違いを見たかったのはあります。アメリカで過ごしたのはたった1年ですが、あらゆることを吸収できました。たとえば日本ではチーム練習が中心で8割から9割を占めると思いますが、アメリカのスクールではプライベートレッスンがすごく充実していました。年齢や経験、スキルに合わせた指導を、ダラダラやるのではなく期間を決めてきっちり行う。コーチとしても、あらゆる相手がいるわけですから指導者としてのスキルも重要になります」
日本でも同様のやり方を浸透させたいと考え、帰国後の20年8月に地元福島県内に「T-Academy」を設立。小中学生をメインとした野球スクール事業をスタートさせた。
そこで菊池は「日本とアメリカを融合させたハイブリッドコーチング」に基づいた独自のバッティング理論を提唱している。


