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「みうらのだいすけー」宮司が祝詞…DeNAキャンプ初日、レアな“安全祈願祭”をナマで見た「“ぱつんぱつん”牧秀悟はパワーアップの予感」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/02/10 17:00
キャンプ地沖縄で行なわれたパレードで朗らかな表情の佐野恵太と筒香嘉智
腰が低くて、実に丁寧だ。南場オーナーは若々しい一方で、チーム全体の「保護者」みたいに見える。
「9時から室内練習場で安全祈願祭をします」
と連絡が入って、選手も報道陣も室内練習場に移動する。この時には、ファンも大勢詰めかけている。DeNAのファンは、台湾で行われたアジア・ウインターリーグでも、球場が開く前から入場口に列を作って並んでいた。この熱心さは12球団でも屈指ではないか。
宮司が祝詞…「みうらのだいすけー」
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室内練習場内に設けられた椅子席に、選手、コーチ、スタッフが着席する。最前列の中央には、南場オーナー、木村洋太球団社長、三浦大輔監督、牧秀悟キャプテンらが座る。
神職2人が現れて、室内練習場中央に設けられた祭壇で、安全祈願祭を行なった(例年は、グラウンドで行われていたのだが)。神職は、沖縄県宜野湾市普天間にある「普天間宮」の宮司だ。琉球古神道の流れをくむ古社で、毎年DeNAの安全祈願をしている。
安全祈願祭は20分続いた。
参列者は神妙に頭を下げ、榊を奉納したり柏手を打ったりしている。祝詞は、報道陣からはよく聞こえなかったけれども「みうらのだいすけー」は、はっきり聞こえた。まるで鎌倉時代のようである。神職はグラウンドでも短くお祓いをしていた。
10時からウォームアップが始まった。真新しいユニフォームをまとった選手たちが、トレーナーの指示で体を動かしていく。簡単な動きから、徐々に複雑な動きへ。
2年目のアンドレ・ジャクソンは球場入りするときから、気合十分という感じだったが、アップでも大きく体を動かして精力的だ。昨季前半は制球難だったが、終盤にはローテを維持、日本シリーズでも第5戦で7回無失点と好投。ワイルドな風貌だが、修正能力が高い。隣には戸柱恭孝、シーズン終盤にコンビを組んで好投を引き出した捕手だ。さらに伊勢大夢もいる。
牧の“ぱつんぱつん”な姿にパワーアップの予感
先日、トレバー・バウアーの復帰が発表されたが、彼はこのキャンプには参加しないという。しかしタイラー・オースティン、アンソニー・ケイ、ジョフレック・ディアス、ローワン・ウィック、そしてジャクソンの外国人は一軍キャンプにいる。競争は実に激しいのだ。
牧秀悟もきびきびと体を動かしていた。もともとムキムキの肉体だが、今年は、さらに“ぱつんぱつん”な印象だ。

