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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「マリーゴールドへ来て本当によかった」プロレス引退も考えた挫折を越えて…“王者になった貴婦人”桜井麻衣の野望「いつかジュリアと再戦を」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/02/02 17:02
マリーゴールドの“白いベルトの王者”桜井麻衣。「大きいこと言っていいですか」とさらなる野望を口にした
桜井の涙は止まらない。
「ここまでくるのに沢山の先輩達に支えられて、今は一人でやっていけるくらい心が強くなったなと思います。むしろこれからは後輩達を支えていかなきゃならない、マリーゴールドを引っ張っていかなくてはいけない立場になった。前だったら、弱くて弱くて、悩んですぐ相談して。そんな自分が白いベルトを獲った時に、小川さんから『ジュリア喜んでいたよ。桜井の話で盛り上がったんだよ』って聞いてうれしかった。白いベルトって私の中ではジュリアのイメージが強いんです。団体は変わりましたけど、白いベルトを戴冠したいとずっとジュリアに話していた。その目標が叶って、一つ恩返しができたかな。でも、まだまだです。『そんな恩返しなんて思わなくていい。自分のために頑張れ』って言われそうですけど」
「マリーゴールドへ来て本当によかった」
少し間をおいて、桜井は言った。
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「めっちゃ濃い1年でした。この1年、沢山泣いて、沢山落ち込んで、今までどんなに辛くても辞めたいって思ったことはなかったのに、初めてプロレスを辞めたいって思うほどの挫折を味わいました。引退を考えた時期が何度かあったけど、諦めずに続けていたら、ものすごいスピードで駆け上がって、純白のベルトを戴冠することが出来た。変わりたくてここに来た。諦めたらそこで終わり。諦めないこと、続けることが大事なんだなって。辞めなくて本当によかった。マリーゴールドへ来て本当によかった。そう思います。
今はこの白いベルトをより輝かせていかなきゃと思っています。それにこれからは辛いことがあっても、もう泣いてる場合じゃない。昨年はSareeeを中心にマリーゴールドは動いていたと思う。でも外の人に団体の真ん中を走られるなんて、悔しすぎる。自分がチャンピオンになったからには、団体を守っていかなければいけない。このベルトを狙って、どんな相手が挑戦してくることになっても全力で守り続けます」
桜井は「大きいこと言っていいですか」と前置きした。
「欲が出てきて、後々、最終的な目標は赤いベルトを目指していきたい。それを獲って、ジュリアとまた対戦したいんです。それが私の最大の目標です」
そう言い残すと、桜井麻衣は薄暮の銀座を貴婦人らしく歩き出した。
<前編とあわせてお読みください>


