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ボクシングPRESSBACK NUMBER
井上尚弥の“脳を揺らすカウンター”で「終わりが近い」じつは2ラウンドにあった予兆…世界的カメラマン“確信の1枚”「増えた筋肉…ものすごいカラダに」
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福田直樹Naoki Fukuda
photograph byNaoki Fukuda
posted2025/01/30 17:03
キム・イェジュンの顔に左フックをヒットさせる井上尚弥。世界的ボクシングカメラマンの福田直樹氏は“異例の一戦”をどう見たのか
試合の流れを決めた“2ラウンド終盤の一撃”
2ラウンドの残り30秒あたりで、井上選手が左ストレートを側頭部にもらうシーンがありましたね。深くて速い、キム選手のいい踏み込みでした。ただ、個人的に大きなポイントだと感じたのはその直後、残り10秒を切ったところでの井上選手の右カウンターです。再び踏み込んできたキム選手の左ボディに、打ち下ろし気味の右を合わせた。動きを読み切って脳を揺らすカウンターが2ラウンドの時点で当たるというのは……。終わりが近い。そう思わせる一撃でした。
あそこで試合の流れが決まって、3ラウンドからは明確に差が見えてきました。キム選手も目を腫らしながら果敢に出てきてはいましたが、それ以上に、井上選手が「当てよう」と思って出したパンチがほぼすべて当たっていた。実際、かなり効いていたんでしょう。キム選手の「来い、来い」というジェスチャーにもそれが表れていたように思います。
3ラウンド終盤の左ボディからの右ボディ。あれが特に効きましたね。明らかにキム選手の動きがおかしくなりましたから。撮影しながらボディがキーになると思っていましたが、そこから削られて、我慢が利かなくなってきた。KOの予兆をはっきりと感じました。
<続く>


