バレーボールPRESSBACK NUMBER
「石川祐希の背中が小さく見えた」波乱の大逆転負け…絶対王者ペルージャに何が?「我々は間抜けな猟師だ」イタリア現地記者が見た“異変”
posted2025/01/29 17:44

コッパ・イタリア準決勝で敗戦したペルージャ。ケガ人が続出する中、奮闘してきた石川祐希だがここにきて疲労の色も見える
text by

弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Michele Benda/AFLO
イタリアのバレーボール界を揺るがす波乱が起きた。
1月25日に行われたコッパ・イタリア準決勝で、石川祐希が所属する前年王者ペルージャが敗れた。リーグ戦5位のベローナ相手に、2セット先取からよもやの逆転負け。タイトル防衛に失敗した常勝軍団の動揺は大きい。
先発出場し、最終セットまで奮闘した石川祐希はチーム最多の15ポイントを挙げたが、試合後、憔悴しきった表情を浮かべた。
ADVERTISEMENT
「僕の攻撃が良くなかったですし、そこは反省というか悔しいです。勝ち続けることはもちろん難しい。その後、どう修正するかがチームの課題」
ペルージャは苦境を迎えている。
悲壮感が漂うペルージャのベンチ
12日のセリエA16節、2位トレンティーノに2-3で競り負け、開幕以来続けてきたシーズンの連勝がついにストップ。初黒星のショックに加え、主力のOHオレフ・プロトニツキが右太腿二頭筋を痛め長期欠場に追い込まれた。
CEVチャンピオンズリーグのチェコ遠征を挟んで臨んだ17節では、強敵チヴィタノヴァにも1-3で敗れ、国内で連敗しただけでなく今季初の勝ち点ゼロゲームという屈辱も味わった。
ただし勝負強さに定評あるペルージャなら、中立地で準決勝と決勝を土日集中開催するコッパ・イタリアで自分たちを奮い立たせ、結局はタイトルを獲るのではないか、というのが大方の下馬評だった。
試合序盤から石川は両腕を引くガッツポーズで闘志を漲らせていた。イタリア代表セッターのシモーネ・ジャンネッリのハイボールに合わせ、跳躍しフルスイングする。1セット目を制し、2セット目のセットポイントも石川がレフトから打ち崩して取った。
だが、第3セットから試合の流れはベローナに傾いた。石川がレセプションで執拗に狙われ、レフトのハイボールには3枚の相手ブロックが必ず立ちはだかった。