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「石川祐希の背中が小さく見えた」波乱の大逆転負け…絶対王者ペルージャに何が?「我々は間抜けな猟師だ」イタリア現地記者が見た“異変”
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弓削高志Takashi Yuge
photograph byMichele Benda/AFLO
posted2025/01/29 17:44
コッパ・イタリア準決勝で敗戦したペルージャ。ケガ人が続出する中、奮闘してきた石川祐希だがここにきて疲労の色も見える
試合終了後、小1時間ほど経ってから取材に応じた石川は「状態は問題ないです」と気丈に振る舞った。
「ケガ人が出るのは仕方ないことなので、僕とセメニウク選手の2人でどんな状況でもしっかり乗り切らないといけない。今までは3人で、誰かが調子悪かったら(別の誰かが)代わって入って、という戦い方ができた。トレント(=トレンティーノ)との試合の後からはそういうわけにもいかなくなったので、ポジション的にもしっかりとミスなく(やるしかない)というか。しっかり調整しないといけないと思います」
被ブロック数の多さを指摘され、チーム全体の戦い方に問題があるのでは、という問いを向けられても、石川はあくまで自分の問題だと己を諭すように言う。
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「ちゃんとコンビも合っているし、僕の打ち方が悪い。修正ができなかった。それがこの結果です」
重積を担うキャプテンの言葉
主将ジャンネッリも疲労困憊だったが、タイトル獲得どころか決勝の切符を逃した怒りを率直に表した。石川が「つねに練習で見ている」とリスペクトするジャンネッリは、予期せぬ敗戦に深く重い息を吐いた。
「うちにもチャンスはあった。誰がいて誰がいないではなく、コートとベンチに今いる人間でベストを尽くす。ケガ人が多いのは確かだがそれを言い訳にはしない。チャンピオンズリーグとカンピオナート(リーグ戦=セリエA)がまだ残っている。
この1年半で初めて決勝戦を逃したわけだ。残念だが、ずっと勝ち続けることは誰にも不可能だ。負けることは辛い。でも、自分たちのやったことをしっかりと認識してゲームを反省し、ここから成長しなければ」


