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「PSGをブ然とさせた」中村敬斗ゴール&お膳立て伊東純也が喜ぶ“会心の1枚”「関根大輝も試合後…」ランス“日本人3兄弟”を現場で撮った
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/01/29 17:30
伊東純也と中村敬斗。新加入の関根大輝とともに、スタッド・ランスを支える一員である
それでもランスの7番・伊東は、単独突破から相手DFに警告を誘発する力強さ、さらには相手の包囲網を自力で回避する技術力を見せた。
17番の中村も、サイドからセンター付近まで顔を出す運動量で、ゴールを決め切ることこそできなかったが守備ラインの裏への抜け出しから決定機を作り出す。またサイドから切り込むことで積極的にシュートを狙った。
2人を一枚のカットに収めたい…と思ったらゴールが
ランスとしてはなんとか守り切った前半、攻めに転じる策を受け迎えた後半だったはずだ。しかし開始早々の2分、新加入クバラツヘリアのアシストからデンベレに先制点を奪われる苦しい展開となった。
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ここまで伊東のいる右サイドを攻撃の起点とする展開が続いていたが、失点後からその伊東が逆サイドまで流れる動きを見せ始めていた。
両翼の選手を同時に収めるのは難しい。そのため……。
「このタイミングで両日本人選手を1枚のカットに収めたい」
そんなことを考え始めた後半11分だった。
押し込まれた中で、左サイドに開いた中村がカウンターのチャンスを得ると、20メートル余りを独走する。すると逆サイドから走り込む伊東がパスを受けゴール前へクロスを送り込む。
中央で待ち構えたムネツィがワンタッチで丁寧に、走り込む中村へとパスを落とす。そして伊東へパスを展開した後も走り続けた中村がダイレクトでシュート、PSGゴールを見事に揺らすことに成功した。
決して力まず、守備陣の間を抜くように、そしてGKの手の届かないサイドネットへ流し込むように。
数少ないカウンター攻撃の中で、相手守備陣の混乱を招いた伊東の運動量、そして中村の類稀なシュートセンスによって、リーグ首位の相手を見事に崩し切ることにつながった。同点ゴールを決めた中村は、自身のフィニッシュをお膳立てした伊東に視線を送りながら、ハイタッチを交わすとCKエリアへ滑り込みながら自身のゴールを喜んだ。
トップ下になっても中村は効果的な動きだった
これを機に両チームの選手交代策が動き出した。
PSGのルイス・エンリケ監督が最初に3枚交代を見せた。デンベレ、イ・ガンインらに代えて、バルコラ、ヴィティーニャらを投入。次戦Cシュツットガルト戦を見据えた交代策でもあっただろうか。
続いてランス指揮官ルカ・エルスネルが3枚交代を行った際には、中村をピッチサイドまで呼び指示を送る姿があった。







