欧州サッカーPRESSBACK NUMBER

「なぜクボ使わないの!?」ファンが疑問の起用法でも“移籍の噂”でもなく…久保建英23歳の焦点は「魂を込めた」バルサ戦と“裏腹の課題” 

text by

中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

PROFILE

photograph byDaisuke Nakashima

posted2025/01/13 17:21

「なぜクボ使わないの!?」ファンが疑問の起用法でも“移籍の噂”でもなく…久保建英23歳の焦点は「魂を込めた」バルサ戦と“裏腹の課題”<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

強豪相手に好プレーを続ける久保建英。起用法や移籍の噂は気になるところだが……。

「ここで喋っているのは、チームを牽引したいと思っているからです。自分がチームにとって重要かどうかは分からない。でも最も情熱を注いでいる選手の一人であることは絶対だよ」と。

 低調なチーム状況(8節終了時点で2勝2分4敗)はELでも続き、開幕2戦で1分け1敗。リーガで降格圏ぎりぎりということもあり、指揮官は久保やスビメンディを温存せざるを得なかった。そこまでして迎えたのは、今季好調のアトレティコ・マドリー。ソシエダは開始1分経たずに与えたゴールが重くのしかかり、終盤に追いつくのがやっとだった。

 アトレティコは「5バックという点においてはヨーロッパでもトップクラス」と久保が評するほどの好チームである。それでもスタンドから助けを求めるような「KUBO!」の声援に応えるように――相対したDFを翻弄した久保は、率直な感想を口にした。

ADVERTISEMENT

「個人的にはすごく良いゲームだったと思いますし、チームとしても良いゲームだった。その分、勝ち点3が欲しかった。今日は勝っておきたかったというのが本音ですね」

 それとともに「アトレティコ・マドリーにこのような試合ができれば、ここから上がっていけるのかなと思います」とのコメントも残している。

「連戦が止まらない選手もいるので」

 事実、ここからクリスマス休暇までの公式戦15試合を10勝1分4敗と大きく勝ち越す。端からは気づけなかったが、ベンチ内ではチームの調子が好転する兆しが見えていたに違いない。

 その理由として――ソシエダはスビメンディ、オヤルサバルら昨夏のEUROで優勝したスペイン代表、パチェコ、トゥリエンテスなどパリ五輪代表に招集された選手が十分なシーズンオフを取れなかった面はあるだろう。またバックアップメンバーも、2度の日本遠征の影響がなかったとは言い難い。

 久保の「連戦が止まらない選手もいるので。僕も多分その1人で……ここから8、9試合あって、これがひとまず12月末までは続きます」との発言からも、チーム全体のコンディションが整っていなかったことがわかる。

過密日程の中でも災害に「心苦しいです」と語る人間性

 そこに、久保の場合は代表ウィークの長距離移動が重なる。10月の日本代表戦で久保は敵地サウジアラビア戦、日本でのオーストラリア戦をこなしている。その間の移動距離は2万6000キロあまりで、時差の問題もある。久保本人も欧州-日本間の長距離フライトで、睡眠薬を使用することもあるとコメントしている。そんな負荷の中で途中出場した10節ジローナ戦は30分ほどのプレー時間だったが、終了後に膝に手をつき疲労を感じさせた。

【次ページ】 バルサ相手の「魂を込めた一番の試合」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#久保建英
#レアル・ソシエダ
#ミケル・オヤルサバル
#イマノル・アルグアシル

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ