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「エンドウは他の選手と違う」出番激減の遠藤航にリバプール監督が感謝した日…英国人記者が取材した“2人の本音”「自分はどんなことでも」 

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ジョン・ブルーウィン

ジョン・ブルーウィンJohn Brewin

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photograph byChris Brunskill/Fantasista,Getty Images

posted2025/01/11 17:00

「エンドウは他の選手と違う」出番激減の遠藤航にリバプール監督が感謝した日…英国人記者が取材した“2人の本音”「自分はどんなことでも」<Number Web> photograph by Chris Brunskill/Fantasista,Getty Images

リーグカップ準決勝トッテナム戦後、握手するスロット監督と遠藤航。出番が限られる中でも、指揮官は背番号3に大きな信頼を寄せている

 手足が長く、運動能力に秀で、ファーストタッチが巧みで、パスのレンジは広い。遠藤と同じ2年目の選手だが、規律正しく守備にも精を出す姿は、昨季はあまり見られなかったものだ。

 スロット監督が好む中盤の形は、クロップが用いた逆三角形ではなく、正三角形だ。そして現在46歳のオランダ人指揮官は、そこに入る3人をユニットとして捉えている。アレクシス・マクアリスターとフラーフェンベルフが低めのポジションを担うことが多いけれど、トップ下を務めるドミニク・ソボスライやカーティス・ジョーンズとの有機的な連係が求められている。遠藤が中盤の掃除役を担い、ほかの2人が攻撃的に振る舞えた昨季とは、成り立ちが違う。

「ワタは違う」と指揮官が驚いた7分のプレー

 とはいえ、スロット監督も遠藤のクオリティーを認めている。10月のクリスタルパレス戦の終盤に投入され、きっちりと1点のリードを守った31歳の日本代表MFについて、指揮官は試合後にこう話している。

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「これまでに他のクラブでは、(試合終盤に呼ばれて)『たった5分しか使わないのか?』といった表情を見せる選手もいたが、ワタ(遠藤)は違う。こちらの意図をしっかりと理解し、中盤でイーブンボールやセカンドボールを回収してくれる。今日は7分しかプレーしなかったが、彼のインパクトは実に大きかった」

 その後もプレミアリーグとチャンピオンズリーグでは出場機会が増えなかったが、リーグカップでは全3試合に先発。12月のサウサンプトンとの準々決勝では、最終ラインの中央でジャレル・クアンサーとコンビを組み、本職ではないポジションながら、クラブが選ぶマン・オブ・ザ・マッチに輝く活躍を見せた。

同僚やファンからも敬意…彼にふさわしい

 スロット監督は試合後、次のように語っている。

「大きく賞賛すべき選手といえば、ワタ・エンドウだ。なぜなら、彼は不慣れなポジションで見事なパフォーマンスを披露したからだ。彼は自らのクオリティーを示してみせたが、おそらくもっとも優れた特長はメンタリティーとパーソナリティーだろう。今日の勝利に大きく貢献してくれた選手のひとりだ。私だけでなく、チームメイトやファンからも敬意を払われているが、それは彼にふさわしいものだ」

 クロップ前監督には入団初日に「我々は君を必要としている」と言われたように、もともと好意的な印象を抱かれていたが、スロット監督とは少しずつ相互理解を深めているように見える。

【次ページ】 遠藤本人が語った「どんなことでもするつもりです」

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