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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「エンドウは他の選手と違う」出番激減の遠藤航にリバプール監督が感謝した日…英国人記者が取材した“2人の本音”「自分はどんなことでも」
posted2025/01/11 17:00
text by
ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph by
Chris Brunskill/Fantasista,Getty Images
クロップ→スロット体制変更の“犠牲”に見えるが
いかなる基準に照らし合わせてみても、今季ここまでのリバプールは予想外の絶好調を維持している。ユルゲン・クロップ監督の後を引き継いだアルネ・スロット新監督のチームは、プレミアリーグの序盤から見事なパフォーマンスを披露。これを予見できた者は、ほとんどいなかったはずだ。
なぜなら、およそ9年にわたってチームだけでなく、クラブや街、ファンに多大な影響を与えたクロップの後任は、誰にとっても困難なタスクに違いなく、新監督の新しい哲学を浸透させるにも、時間を要すと思われたからだ。一時代を築いたこのドイツ人前監督と選手たちの間には固い絆があり、カリスマを放つリーダーに心酔していた選手も多い。
一方、スロット監督は前任者と異なるキャラクターの持ち主ながら、このオランダ人にも人を惹きつけるポジティブな魅力があり、この短期間にチームを掌握し、新生リバプールを波に乗せた。多くの選手たちが、新監督のポゼッションをベースとした能動的なプレースタイルに好感を抱いている。
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このように体制が変わると、犠牲になる選手が出てくるもので、その筆頭が遠藤航だ。プレミアリーグの前半戦19試合のうち、8試合に出場したが、先発は一度もなく、出場時間は記録の上で計56分。昨年12月29日のウェストハムとのアウェー戦で、今季最長時間となる33分間+アディショナルタイムをプレーしたものの、投入された時のスコアは4-0で勝敗は決していた。
“正三角形”の中盤ゆえにフラーフェンベルフが
遠藤は加入1年目の昨季、前半戦のうちにクロップ前監督の信頼を掴み、アンカーの主戦として活躍していたが、今季はライアン・フラーフェンベルフがその役割を担っている。前体制よりもローテーションの少ないチームでは、監督と国籍を共にするフラーフェンベルフが、第1節イプスウィッチ戦(2-0の勝利)で先発してから、ずっとその座を守っている。
開幕前にこの変更が予想できたかと問われれば、肯首することはできない。しかし今季のフラーフェンベルフを見れば、先発にふさわしい選手と言うほかない。