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「原晋監督を見返したい」“箱根駅伝で引退予定”吉田祐也は今や…青学大のテレビに映らない関係「太田(蒼生)さんは…」「お前はサビを落とせ」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byYuki Suenaga
posted2025/01/05 17:01
ここ11年で8度の箱根駅伝総合優勝。原晋監督の下で力をつけたランナーたちの言葉を振り返ろう
原監督の勧めもあって2020年2月の別府大分毎日マラソンに出場して全体3位の日本人トップでゴールする好記録を残し、競技続行を決断。GMOアスリーツに加入し、2020年12月の福岡国際マラソンでは2時間7分5秒の自己新でマラソン初優勝まで飾った。さらには……。その4年後、2024年の同大会で日本歴代3位、2時間5分16秒と日本記録まで20秒に迫る好タイムで優勝し、9月の世界陸上の有力候補に名を挙げている。
このままだとお前、邪魔だ
<名言2>
このままだとお前、邪魔だ。箱根を走る意気込みはどうした。このまま終わっていいのか。
(安藤悠哉/Number1087・1088号 2023年12月21日発売)
https://number.bunshun.jp/articles/-/860233
◇解説◇
学生スポーツには「3~4年間」というサイクルがあり、学年ごとに力のバラつきが出る。その中で2017年、史上6校目の3連覇を果たした際の安藤ら最上級生はその苦しみを味わっていた。
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この世代に決して誰もいなかったわけではなく、一色恭志というエース格がいた。しかし、新チームの目標を「三冠」と一色が主張する一方で、反対する声もあったという。さらには……
1つ上の世代:神野大地、久保田和真、小椋裕介
1つ下の世代:田村和希、下田裕太
と有力ランナーが双方に多かったこともあり、いわゆる“狭間”扱いを受けたそうだ。
その中で主将を任された安藤は、1年時に原監督から「お前はまずサビを落とさないといけない。言われたことをやるだけじゃなくて、どうしたらいいのか自分で考えて行動する。能動的に動くためのサビ取りが必要だ。そうでないと絶対に上がってこられないぞ」と、自主性を持って活動することの重要性を諭された。主将となると不調の選手を鼓舞するために、冒頭の発言のような厳しさを見せつつも、誰かが声かけでフォローするようなバランスづくりにも粉骨砕身した。
そんな彼らがチームを引っ張った、同校史上初の大学駅伝三冠を達成。原監督はこう称えた。
「やっぱり4年生ですよ」
太田さんはゲームチェンジャー
<名言3>
個人としてはちょっと悔しかったですけど、今日まだ4人いるので。そして明日は5人いるので。
(荒巻朋熙/NumberWeb 2024年1月4日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/860242
◇解説◇
箱根駅伝連覇を果たした青学大。「駅伝男」こと太田蒼生が4区で見せた快走が印象に残るが――1年前にも鮮烈な走りを見せていた。それを自らが走った直後に“予言”していたのが、荒巻だった。
第100回大会の箱根で、荒巻はスターターを任された。一方で2023年度に抜群の強さを誇ったのは出雲と全日本を制した駒沢大で、1区にエントリーされたのはエース級の篠原倖太朗。そこに待ったをかけるため、原監督から「ハイペースでもついていける」と任せられたのが荒巻だった。