プロ野球PRESSBACK NUMBER
「またイーグルスは…だよね」巨人入団前の田中将大と電話で3回会話…山崎武司が“楽天と一部報道”を一刀両断「私に嘘をつくとは思えないので」
text by
間淳Jun Aida
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/12/30 06:04
楽天時代、田中将大とチームメートだった山崎武司。巨人入団前にあたって電話で相談を受けたという
「晩年を迎えたベテランには最大限の言葉で気遣うのが筋です。苦しい時期も球団を支えてきたわけですから。結果が求められると同時に、人の心を動かすのがプロスポーツです。勝敗や収益だけで割り切られるのは違和感があります。イーグルスにいる今の中心選手にも、いずれは今回の将大と同じようにチームを去る時が来ると思わせてしまいます」
実は…山崎氏は田中と3度、電話で話していた
実は、田中の楽天退団から巨人入団までに山崎氏は田中と3回、電話で話しているという。最初に電話が鳴ったのは楽天を去る覚悟を決めたタイミングだった。
「将大は口数が多いタイプではないし、イーグルスへの感謝の気持ちも大きいので不満を言うわけではありません。自分の経験も含めて事情は推測できるところもあって、こちらから色々と聞きませんでした。ただ、寂しさや悔しさは痛いほど伝わってきました。将大は年俸にこだわりがあるわけではないから、球団の姿勢ですよね。ちょっとした言葉の違いで選手の気持ちは大きく変わりますから」
ADVERTISEMENT
山崎氏によると、田中は移籍先のめどをつけた上で楽天を退団したわけではなかった。巨人が田中を獲得する方針の第一報がスポーツ紙に掲載された前日には電話で2度目の会話を交わしていた。
「辞める選択肢はないので、プレーする場所を探さないといけないと話していました。後日、『この前、電話した時はジャイアンツに決まっていたのか?』と聞いたら、『急に話が動いたんです。あの時は、本当に決まっていなくて』と答えていました。交渉は代理人に任せていたみたいですね。私に嘘をつくとは思えないので、1日の間に急転したのだと思います」
田中の本心と報道の乖離を感じていた
この時の電話で、山崎氏は田中の本心と報道の乖離を感じていた。
田中をめぐっては「移籍先の希望は在京球団」、「楽天とは金額面に差」、「あと3勝に迫った日米通算200勝を達成できる球団を希望」といった内容が報じられた。だが、こうした一部報道が事実と反し、田中を苦しめていたと山崎氏は話す――。〈つづく〉