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「米国から声が掛かれば…」ドイツで急成長の大型DFが“日本代表を選ばない”可能性は本当か?チェイス・アンリ20歳、記者の直撃に「正解はわからない」
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byGetty Images
posted2024/12/30 17:01
尚志高校を卒業後、ドイツに渡ったチェイス・アンリ(20歳)。今年8月にブンデスリーガデビューを飾った
当の本人は、というと、現時点ではどちらを選択することは避けている。日本のメディアを前にしたとき、リップサービスであったとしても、日本を優先するような言葉を選んでもおかしくはない。チェイスの発言は一貫している。
「代表は自然に任せるという感じです。どちらかを選ぶことになったらその時はその時ですし、とりあえず今はクラブで頑張るしかないなと。 何が正解か分からないですし。どちらかというのは考えていないです」
つまりは、アメリカから先に声が掛かれば、アメリカ代表を選択する可能性があるということだろう。
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日本代表で言えば、直近は来年3月のW杯予選。負傷者の状況次第では声が掛かる可能性はある。また、W杯出場を決めた後の6月シリーズは新たな選手を試す機会となるため――それよりも前にアメリカ代表が動くかもしれないが――サムライブルーのユニフォームに袖を通す機会は訪れても不思議ではないだろう。いずれにせよ、さらなる成長を遂げなければ森保一監督の選択肢に入ることはない。本人が言う通り、「来年は”新人”ではなく主力のような選手になる」ことを実現したいところだ。
新たな1年に向け、チェイスは「来年は今年と別人のような選手になりたい」と目標を見据える。急速に成長を遂げている男の次なる進化を楽しみにしたい。
チェイス・アンリ(Anrie Chase)
2004年3月24日生まれ、神奈川県出身。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、3歳で渡米。テキサス州で9年過ごした後、中学1年の夏から横須賀・長沢中でサッカーを本格的に始める。FC湘南ジュニアユースを経て、2019年に福島・尚志高校に入学。身体能力を生かして1年次から活躍し、3年次には「高校ナンバーワンDF」として選手権に出場した。U-17時代から年代別代表にも選出され、22年のU23アジアカップには飛び級で招集された。高校卒業後の22年4月にドイツ・シュツットガルトと3年契約を交わし、24年8月にブンデスリーガデビューを飾った。187cm、81kg。