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「フジイ名人とぜひ指したい」欧米にアジア、アフリカ人まで…藤井聡太と将棋の“世界的人気”にA級棋士が驚き「タイチ先生のYouTube見てます」 

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中村太地

中村太地Taichi Nakamura

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photograph byNanae Suzuki

posted2024/12/29 06:02

「フジイ名人とぜひ指したい」欧米にアジア、アフリカ人まで…藤井聡太と将棋の“世界的人気”にA級棋士が驚き「タイチ先生のYouTube見てます」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2024年も鮮烈な将棋を見せた藤井聡太竜王・名人。世界の将棋好きもその強さに畏敬の念を持っているようだ

 谷川浩司十七世名人を敬愛するフランス代表の方が「光速の終盤術を披露したい」と意気込んでいたり、渡辺明九段や藤井猛九段ら現代の名棋士、さらには村山聖九段に阪田三吉先生、さらには江戸時代の天野宗歩先生を挙げる方もいました。

 そもそも日本以外の地でどうして将棋に興味を持ったのか。素朴な疑問だったので聞いてみると、少人数ながらサークルを作ったり、日本語が分からない中でも書籍を購入して、局面図を見て勉強したそうです。将棋を勉強するために日本語を学んで、今では会話できるという方もいらっしゃいました。

 さらには日本側の働きかけとして、将棋の専門用語を英訳した辞書もあります。

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 例えば駒は「歩=ポーン、王=キング」とチェスの駒に置き換えたりする一方で、「穴熊=ANAGUMA」で通じるケースもあります。個人的にはいわゆる「ポカ」、優位な局面をうっかりミスで形勢を損ねる悪手が「エクストリーム・バッド・ムーブメント(Extreme Bad Movement)」と、物凄くカッコよくなっているのが面白かったです(笑)。

「タイチさんのYouTubeを見てます」

 何よりビックリしたのは、「タイチさんのYouTubeを見ています」と、アジア圏やヨーロッパ圏の方から何人もお声がけいただいたことです。私自身“盲点”だったのですが、YouTubeには「字幕の自動生成」の設定があります。それを母国語にして自分なりに解釈しつつ、将棋について見識を深めているとのこと。それを聞いて「ああ、動画配信を自分なりに取り組んでいた意義があったのだな」と心から思いました。

 正直なところ、私のYouTubeは海外の方をターゲットに配信していたわけではありません。しかし日本の観光地などでは近年、動画などで認知度が大きく上がり、外国人観光客が急増したケースを聞きます。日本の伝統文化である将棋も、外国の方々の琴線にも触れるような発信をすることで数多くの人に知ってもらえるのでは――と気づきを与えてくれる出来事でした。

「フジイさんとぜひ…」ウガンダの方もファン

 同イベントに参加した棋士の中で特に人気だったのは、やはり藤井竜王・名人、羽生会長でした。特に藤井竜王・名人ファンは中国、アメリカだけでなく、アフリカのウガンダの方もいたほどです。「フジイさんの活躍について知っている」とはみなさんの共通認識だったなと感じますし、同トーナメントに優勝すると、藤井竜王・名人と記念対局できる権利を手に入れられるということもあって……。

【次ページ】 解説で衝撃を受けた「藤井七冠が勝利する結末」

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