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「お前、ユウキと全然違うな(笑)」イタリア人が驚いた大塚達宣の“グイグイ精神”…「24歳の海外挑戦」はバレー界の新しい選択肢になるか? 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2024/12/08 11:04

「お前、ユウキと全然違うな(笑)」イタリア人が驚いた大塚達宣の“グイグイ精神”…「24歳の海外挑戦」はバレー界の新しい選択肢になるか?<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

パリ五輪を終えてイタリアに渡った大塚達宣(今年9月に撮影)

 大塚にとっては念願の海外移籍だ。石川が中央大学在学中にセリエAでプレーし始めてから、大学生にも海外リーグでプレーする選択肢が生まれた。高橋藍(サントリーサンバーズ大阪)は日本体育大学2年時にセリエAへ。当時早稲田大学3年だった大塚も、海外への思いは強かった。

「祐希さんや藍みたいに、大学生で一発目に海外に行って力をつけるというのが成功のイメージだった。だから1月から3月の短期間だけでも海外に行きたかったんですけど、自分は教職の授業もあって長期間休むことができなかったので、どうしても行けなくて」

 そこで、Vリーグのパナソニックパンサーズ(現在のSVリーグ・大阪ブルテオン)で大学3年からプレーする道を選んだ。大学4年の内定選手ではなく、3年以下の選手がVリーグのトップカテゴリーでプレーするのは、大塚と、同時にパナソニックに加入したエバデダン・ラリーが初めてだった。それ以降、昨季は法政大学2年だった高橋慶帆がジェイテクトSTINGS(現・ジェイテクトSTINGS愛知)でプレーするなど、大学生の選択肢の一つとなった。

バレーボール界の“未来”に示した選択肢

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 大塚には新たなルートを示せたという自負がある。

「これまでは、海外一発目は下位のチームに行って、そこから力をつけていくという流れがありましたが、今回僕はありがたいことに縁があってミラノで一発目からやらせてもらえる。ミラノは昨季セリエAで3位になり、今季は欧州チャンピオンズリーグにも出られるチームです。

 国内でしっかり力をつけて、ある程度世界にも名前を知られるというか、『こういう選手だな』と認識してもらった上でミラノのようなチームに行けるのは、一つの新しいやり方かなと思います」

 パナソニックで出会い、先月、日本代表の新監督に内定したロラン・ティリ監督にも、「一緒にパナソニックで力をつけて、代表でも出る機会を少しずつ増やし、いろんな人に『大塚はこういう選手だ』と知ってもらってから海外に行くのがいいと思うよ」と言われていたという。

「大学生で海外に行くこともめちゃくちゃいいと思うし、僕も行けるなら行きたかったけど、いろんな選択肢ができれば、これからの大学生や高校生もいろんなイメージを持てると思うので、いい例を作れたらと思っていました」

【次ページ】 「ミラノは僕が好きなタイプのチーム」

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