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プロ野球PRESSBACK NUMBER
実は和田毅じゃなかった?…本当の“最後の松坂世代”は今季もドイツリーグで8勝を挙げていた!「久しぶりに野球をしっかりやれた1年でした」
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byAFLO
posted2024/12/05 17:28
今年で44歳になった「松坂世代」の久保康友。昨季からはドイツのハンブルグ・スティーラーズに所属し、今季も8勝を挙げたプロ野球現役選手だ
アメリカで経験を積んだ選手が、地元に戻りプレーしたということはドイツに何か良い流れが来ているのだろうか。久保が昨季、リーグをけん引したことが何かを動かしたのか。それは定かではないが、地元選手の台頭で、今季のリーグ戦は幕を閉じた。
ただ、少なくとも今年、ドイツでは他にも日本人選手の名前を数人聞くようになった。久保の所属したハンブルグ・スティーラーズにも若い日本人選手が入団したのだ。
「今年からショートに岡田(竜汰)が入ってきたんです。岡田は海外志向が強くて、年齢も20代半ば(25歳)くらい。若くて意欲がすごくあるし、色んなことを話しました」
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岡田は岡山県作陽から帝塚山大、大阪の独立リーグ・ゼロロクブルズでプレーし、今年から海を渡ってきたという。若い選手だからこそ、久保は岡田の相談には何でも乗るようにした。
「僕もアメリカやメキシカンリーグでプレーしているので、岡田がこれからどうしたいとか色々聞きました。彼の参考になることなら何でも話しましたし、出来る限りのアドバイスもしてきたつもりです」
「久しぶりに、野球をしっかりやれた1年でした」
去年はドイツの周辺国を観光するなど時間が出来れば現地の雰囲気を満喫してきたが、今年は後輩が入ったこともあり、野球に一層集中してきたのだという。
「久しぶりに、野球をしっかりやれた1年でした。朝から2~3時間ジムに行くとか、試合前の準備とか、去年以上にやってきました」
スティーラーズの所属する北地区リーグでは1チームが運営的な理由により2部に落ちたことで試合数は減ったものの、自身の状態そのものは好調を維持できたという。
「トレーニングを続けてきたことでボール自体は去年より良かったです。でも、40を超えるとちゃんとトレーニングをしないとパフォーマンスは持続できないことがあらためて分かりました。本当に“練習はうそをつかない”ですよね」
リーグ戦、プレーオフが終わった9月の中旬に帰国してもトレーニングは続けていた。
そして地元のトレーニング施設で朝から身体を動かしていた11月5日、共に汗を流していた若い選手から聞いた言葉に衝撃を受けた。
「和田さんが現役引退するみたいですね――」
<次回へつづく>

