プロ野球PRESSBACK NUMBER

実は和田毅じゃなかった?…本当の“最後の松坂世代”は今季もドイツリーグで8勝を挙げていた!「久しぶりに野球をしっかりやれた1年でした」

posted2024/12/05 17:28

 
実は和田毅じゃなかった?…本当の“最後の松坂世代”は今季もドイツリーグで8勝を挙げていた!「久しぶりに野球をしっかりやれた1年でした」<Number Web> photograph by AFLO

今年で44歳になった「松坂世代」の久保康友。昨季からはドイツのハンブルグ・スティーラーズに所属し、今季も8勝を挙げたプロ野球現役選手だ

text by

沢井史

沢井史Fumi Sawai

PROFILE

photograph by

AFLO

 NPBで13年間プレーしたのち、2018年にアメリカ、翌年のメキシコに続いて昨季からドイツの独立リーグでプレーしている男がいる。昨季は15試合に先発してリーグ最多の11勝、今季もリーグ2番目となる8勝をあげた久保康友だ。1980年生まれの44歳は、世に言う「松坂世代」に当たる。11月の和田毅(ソフトバンク)の引退では「最後の松坂世代」という言葉がメディアに躍ったが、本当の「世代最後の男」は、戦友の引退をどう見たのだろうか?《Numberwebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む》

「新しい世界を見たい」と2017年にNPBを離れた後、翌年にアメリカでプレーして以降、メキシコ、そしてドイツとプレーする国を単年で変えていた久保康友が、今年は去年に続いてドイツでプレーしていた。

「昨年、ドイツを離れるとき、監督から来年も来てくれと言われていて、声を掛けてもらえるのなら頑張ろうと思って、今年もドイツに行きました。(今年も声を掛けられたのは)自分が試合前から走ったり、普段の練習もマメにやっているところを見て“日本人はよく練習する”という認識があるみたいで。自分が練習をしている姿を選手らに見せて、何か影響があればという監督の狙いもあったみたいです。

 基本的に、向こうでは『能力は持って生まれたもの』という認識が強いので、努力することは敬遠しがちなんです。でも、去年僕が黙々と練習する姿を見て、監督が選手たちに『あれだけ頑張れば結果を残せるんだぞ』って言っていたみたいで。選手が刺激されてチームの雰囲気が変わったらしいです」

ADVERTISEMENT

 監督からすると、久保は“選手たちの鑑”と認識されていたようだ。ただ、チーム側からさらに来年も……と強く言えるような高待遇があるわけでもなく、今秋にチームを離れる時は強く引き留められることもなかったという。

今年44歳の「松坂世代」だが…リーグ2位となる8勝

 今季の成績は8勝3敗だった。昨季はリーグで最多勝を挙げたが、今季の勝利数はリーグで2番目だったという。では、最多勝を挙げたピッチャーは誰だったのか。

「3月に侍ジャパンと欧州代表の試合で先発したピッチャーで、(マーカス・)ゾルバッハです。アメリカでマイナーも含めて14年間プレーしていて、ドイツ出身です。向こうは9勝したうえにチーム(ボン・キャピタルズ)もドイツの北地区のリーグでは断トツで強いんです。アメリカでプレーしていただけあって、スピードは常時90マイルくらい出ていて、コントロールもいいし、スライダーも良かったです。身長は190cmくらいあります」

【次ページ】 「久しぶりに、野球をしっかりやれた1年でした」

1 2 NEXT
#久保康友
#和田毅
#ハンブルク・スティーラーズ
#松坂世代
#岡田竜汰
#松坂大輔

プロ野球の前後の記事

ページトップ