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「僕と比べるのは失礼ですよ」ドイツで未だ現役プロ選手…本当の“最後の松坂世代”久保康友(44歳)が盟友の引退に思うこと「和田は本当にすごい」
posted2024/12/05 17:29
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
(L)Hideki Sugiyama、(R)AFLO
ドイツでのリーグ戦・プレーオフを終え、久保康友は9月に日本へと戻っていた。
そして、今後も見据え地元のトレーニング施設で朝から身体を動かしていた11月5日、共に汗を流していた若い選手が発した言葉に衝撃を受けることになる。
――和田さんが現役引退するみたいですね。
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「最初は『え? そんな報道あったっけ?』って思いました。そうしたらネットのニュースでどんどん情報が流れ始めて……。びっくりしましたけれど、まず思ったのは『大変やったやろうな』っていう言葉です」
同い年で、松坂世代の最後のNPB現役投手とも言われた和田毅。浜田高から早大を経てダイエーホークス(当時)に入団し、新人年から5年連続で2ケタ勝利を挙げるなど、エースとしての地位を確立した。アメリカ・カブスなど2年間の米球界でのシーズンも含め、日米通算で165勝をマークした、今やレジェンド左腕とも言われてきたのが和田だ。
高校時代、共に甲子園に出場した和田とは、プロの舞台で何度も顔を合わせた。
「今は連絡を取っているわけではないですけど、NPBの時は球場で会えばよく話はしていました」と、和田との時間を振り返る。
久保本人は「和田と比べるのは失礼ですよ」
そうなると松坂世代最後の現役選手は久保――と言ってもいいのだろうか。その件について久保はこう口を開く。
「和田はNPBのさらにトップを目指して、ソフトバンクという日本を代表するトップチームで色んなものを背負いながらここまで努力してきたと思うんです。僕は同じ年で一応まだ投げさせてもらってはいますが、僕なんて遊びのような感じでやっていますから和田と比べるのは失礼ですよ」
昨年、ドイツの独立リーグでプレーした経緯について話を聞いた時、久保は現在の自分を「趣味で野球をやっている」と話していた。NPBにいた13年間は、とにかく数字にこだわり、冬場のオフの時間も犠牲にしてトレーニングを続け、四六時中結果のことばかり考えてきた。