バレーボールPRESSBACK NUMBER
「救ってくれたのは(ロバートの)秋山くんでした」“はねトび”伊藤ちゃんが明かす“40歳で出産→ワンオペ子育て”「夜泣きで途方に暮れた時に…」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byTadashi Hosoda
posted2024/12/05 11:05
結婚、出産、子育てを振り返ってくれたお笑いコンビ北陽・伊藤さおりさん(50歳)
加えて、静岡には強い味方もいた。
夫が所属する東レの選手やスタッフの家族、“奥さま会”とも言うべき妻たちの存在が、子育てに奮闘する伊藤さんにとっては何よりの救いだったと振り返る。
「娘が小さい時は『サンマ焼けたよ』って届けてくれたり、昼寝タイムを見計らって『お茶しよう』と家に来てくれる。余裕がなかったので息抜きできるだけでも助けられたし、年齢が離れていてもみんな仲が良い。私もすぐ仲間に入れてもらえて、本当に助けられました」
ADVERTISEMENT
オフシーズンにはみんなでバーベキューや年越しのカウントダウン。相方の虻川美穂子さんや森三中、クワバタオハラなど同世代の子を持つ芸人仲間とのハロウィンパーティーも楽しい時間ではあったが、バレーボールを通じて新たに広がった輪も伊藤さんにとっては貴重なネットワークになった。
「(2019年に)夫がコーチから監督になって、今まで以上に労力がかかるのはわかっていました。だから、もしも私が育児でイラッとすることがあっても、子育てを手伝ってよと思うことがあっても、監督という大変な仕事に今は譲らないといけない。だから耐えよう、と。チーム事情とかも全然私は聞かないから知らないですけど、奥さんの中にはすごく詳しい人もいるので、奥さん同士の会話で聞いて初めて知るぐらい何もわかっていない。それぐらい、私は子育て、主人は監督の仕事、と分けて考えていました」
でも、と自嘲気味に笑う。
「そうは言いながらも育児で大変な時は、私が顔に出しちゃう時もありますけどね」
簡単ではなかった芸人と母の両立
女性の社会進出も進み、出産後も共働きする家庭は少なくない。女性芸人を見渡しても、結婚、出産を経てからも芸人としてバラエティ番組に出演する人たちの数も増えてきた。
伊藤さん自身も拠点とする静岡でのテレビ番組出演や、虻川さんとのYouTube『北陽チャンネル』など芸能活動の範囲を広げている。だが出産からしばらくは、「芸人」と「母」の両立はなかなか簡単なことではなかった。

