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「夏場の撮影中に倒れてしまって…」母になった元ビーチバレー選手・坂口佳穂(28歳)の現在…アスリート夫婦が「産後、寝室は完全に分けた」理由
posted2024/12/06 11:05
text by
吉田亜衣Ai Yoshida
photograph by
L)Asami Enomoto、R)本人提供
大学時代からプロのビーチバレー選手として国内外を転戦し、東京五輪出場を目指してきた坂口佳穗さん。東京五輪予選後のシーズンで現役を引退し、その後25歳で結婚、27歳で第一子を出産した。「結婚」については、現役を続けながら結婚生活を送ることが実は「憧れ」だったと振り返る。
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――7年という競技生活を経て20代半ばで引退されました。現役時代から結婚、出産について考えていたのでしょうか?
坂口佳穂さん(以下、坂口) 日本では20代で結婚生活を送りながら現役を続けている女性アスリートがいないと思っていたので、タイミングがあれば現役中に結婚はいつでも、と思っていました。海外の選手を見ていて憧れもありましたし、出産については、姪っ子が本当に可愛くて子どもは早くほしいと思う半面、授かりものですから。ぼんやりと30歳までには授かれたら、と思っていました。でも、ちょうど結婚したいタイミングで現役引退を決めたので、憧れで終わっちゃいましたね。
――初めてのマタニティライフはいかがでしたか? 産休に入られるまでのスポーツキャスターとしてのお仕事と両立も含め、充実されていたのでは?
坂口 はい。引退後、関西のゴルフ番組の進行役を月1回やらせてもらいました。その中で妊娠がわかり、つわりの時期と重なって毎日何も食べられない二日酔いみたいな状態が続いていました。自分では元気だと思っていたんですけど、身体に負担がかかっていたみたいで夏場に撮影があったとき、ふらついて倒れてしまって……。スタッフの方に心配をおかけして迷惑をかけてしまいました。本当は出産ギリギリまでお仕事をしたかったんですけど、3カ月ほどで交代することになりました。すごく楽しい現場でスタッフさんが優しくして下さったので、すごく申し訳なかったです。でも、皆さんの優しさを力に変えて元気な子を産もう、と改めて思いました。
「促進剤を3発打って、人工破水して…」
――初めてのレギュラー番組で大変でしたね。出産は順調でしたか?
坂口 いいえ、それが全然出てこなくて。出産予定日を過ぎて2日後の健診の際、初産ということと、赤ちゃんが大きくなっているから、元気なうちに出産しましょう! ということで、そのまま分娩室に行きました。促進剤を3発打って人工破水して、陣痛が痛すぎて……。無痛分娩するつもりはなかったんですけど、出産費用に含まれていたので、途中で切り替えてもらいました。
――陣痛を例えるとどんな痛みでしたか?
坂口 前から背中から金槌でドーンと打たれてそれがずっと続いてるような。普通の陣痛だと波があるらしいんですけど、促進剤を3発も打つと痛みが継続するらしくて。私、もともと生理痛がほとんどなくて経血も少ないので、競技にも支障はなかったんです。だから子宮が伸縮する痛みはこんなにつらいんだ、と初めて思いました。生理痛がひどい人は学校も仕事も休まずにはいられないと思いましたね。
――無痛分娩で痛みなく、出産されたんですね。
坂口 その時は痛みなく出産できたんですけど、赤ちゃんを出やすくするために行った会陰切開の傷の痛みが1カ月くらい続いて、痛み止めを飲みながらの日々でした。よく分娩中の痛さは語り継がれるけど、産後の話はあまり聞いたことがなかったので、こんなに痛いんだと。