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「夏場の撮影中に倒れてしまって…」母になった元ビーチバレー選手・坂口佳穂(28歳)の現在…アスリート夫婦が「産後、寝室は完全に分けた」理由
text by
吉田亜衣Ai Yoshida
photograph byL)Asami Enomoto、R)本人提供
posted2024/12/06 11:05
今年2月に長女を出産した元ビーチバレー選手・坂口佳穂さんのインタビュー第1回
「急に涙が出てきた」産後2週目の苦悩
――産後のほうがつらかったわけですね。痛みを乗り越え誕生した娘さんの育児はいかがですか?
坂口 毎日、本当に可愛いですね。一日中常に娘と一緒にいるので、写真も娘のものしかないし、一緒に撮る相手も娘です。
――ストレスとか精神的にきついなと思うことはない?
坂口 継続的にはないんですけど、一度だけ自分でもちょっと精神的にきてるな、と思ったことがありました。産後2週目あたりにお股も痛いし、生活リズムもまだ掴めていなかった時、 旦那さんに『ちょっと一瞬、寝てきていい?』と言って寝室へ行った時、急に涙が出てきたんです。泣いて寝たら、ちょっとスッキリしたんですけど。自分では気づかないところで精神的にきてるんだな、と思いましたね。ホルモンバランスも崩れていたのかな。原因がわからなかったんですけど、それを相談する旦那さんがいたり、母親がいてくれたりしたので、 ケアしてもらったことはありがたかったです。
――競技生活の時に似たようなことはあったんですか?
坂口 初めてでした。競技の場合は負けたとかミスしたとか、原因がわかるけれど、これに関しては原因がわからなかったから初めての感情でした。衝撃を受けたのはそれくらいで、起きている時は家事をしながら一緒に遊ぶし、楽しみながらやっています。
――たまにリフレッシュしたいと思うことは?
坂口 最近ピラティスのインストラクターの仕事に出るようになって、クライアントさんから『仕事って息抜きになるんですか?』と言われたんです。その時に初めて気づきました。私自身、仕事をリフレッシュの時間だとは思っていないから、私は娘といる時、ストレスは溜まっていないんだなと。1人の時間がほしいとも思わないし、むしろ娘が心配になるので(笑)。
夫はプロラグビー選手…“アスリート夫婦”の日常とは
坂口さんが育児を楽しめるのは、「育児には積極的で文句なし」というパートナーの支えがあってこそ。夫は元7人制ラグビー日本代表として東京五輪に出場した松井千士選手。現在は横浜キヤノンイーグルスで活躍しているプロのラグビー選手だ。
坂口さんの現役時代から交際、引退後に入籍した。ともにアスリートである2人は、それぞれの悩みを打ち明け、乗り越えてきた同志でもある。
――アスリートならではの話題もお家で話したりするのですか?
坂口 話しますよ。私が現役の時もそうでしたし、今は旦那さんが練習から帰ってきて毎日のように今日こんなことがあった、みたいな話をします。私からも今日はどうだった? と聞きますし。旦那さんの話を聞いていて思うのは、ビーチバレーは2人でラグビーは15人。自分の身を投げ出してでもチームのためにとか、競技人数に差があるのでビーチバレーと違う部分もある。ときには『なんでそういう風に考えるの?』と言うと、『ラグビーがわかっていないな』と言われることもありました。けれど、その半年後ぐらいに『佳穂が言ってたことは間違っていなかった。僕にもそういう精神が必要かもしれないな』と言ってきたことも。お互いに違う競技をしていたからこその気づきがあると思います。
――アスリート夫婦でよかったと思うことはありますか?