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「植草って誰? 全然似てねえじゃん」“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”と呼ばれ…植草歩がいま明かす本音「私も似てると思ってなかった(笑)」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byTakashi Shimizu
posted2024/11/30 11:03
現在は空手指導者、モデルとして活動する植草歩。現役時代は“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”というキャッチフレーズで知られた
植草 高校時代は髪の毛が長いのも全然問題なかったけど、(帝京)大学時代はショートという決まりがありました。
──セミロングもダメだったんですか?
植草 ダメでしたね。なので当時は“キワキワのボブ”にしていました。首筋のところの髪の毛が長いとコーチに指導されてしまうので、後ろだけパッツンにして……。当時はテクノやキノコと言われていたけど、そういう髪形が流行っていたので自分もトライしていた感じですね。
オフにメイクをしただけで“連帯責任”の時代
──厳しいルールがあるなかでも、オフにはしっかりとメイクをしていた。
植草 一度、それで怒られたことがあるんですよ。いまとなっては「オフなのになぜ?」と思うけど、連帯責任で男子も含め同期全員で草むしりをさせられて。そのとき男子から「寮で化粧するのはやめてくれ」とお願いされました。「自分の彼女が化粧しないでデートに来たらどうするんだよ!」と言い返したら、「俺たちがやっているのは空手じゃん」と(笑)。結局、男子から「外に出かけるときはどこかのトイレで化粧をして、帰ってくる前に化粧を落とせばいいじゃん」という案を出されて納得しましたけど……。
──ギリギリのところで自由を求めていたんですね。
植草 そうですね。だからこそ、いま指導している女の子たちには「遊びに行くときは化粧をしたり、好きな格好をしていいんだよ」と背中を押しています。
──規則で縛ったりはしない?
植草 しないですね。自分は“スポ根”に生きた世代ですから、ストイックな面も間違いなくある。でも、その価値観を押し付けるのはよくない。学校の方針に従いながら、いまの時代に沿ったやり方で指導するように意識しています。
──やっぱり植草さんが高校生活を送った十数年前とは大きく違いますか?