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「このムキムキな僧侶、もしかしてブアカーオ?」40歳でRIZIN参戦…K-1の伝説ブアカーオが語る肉体美の理由「自分の身体を愛している」

posted2023/05/04 17:03

 
「このムキムキな僧侶、もしかしてブアカーオ?」40歳でRIZIN参戦…K-1の伝説ブアカーオが語る肉体美の理由「自分の身体を愛している」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

『RIZIN.42』で安保瑠輝也と対戦する40歳のブアカーオ・バンチャメーク。筋骨隆々の肉体を維持する秘訣や、僧侶としての生活について語った

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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RIZIN FF Susumu Nagao

ブアカーオ・バンチャメーク。2000年代のK-1で「ブアカーオ・ポー・プラムック」として魔裟斗らと激闘を繰り広げたレジェンドは、40歳になったいま、なぜ再び日本のリングに上がることを決めたのか。「マッチョすぎるお坊さん」としてネットミームにもなったタイの英雄が、『RIZIN.42』での安保瑠輝也戦を前にNumber Webのインタビューに答えた。(全2回の1回目/後編へ)

「実は3、4年前にバケーションで日本に来ていたんだ。今回はそれ以来の来日だけど、滞在時間は30時間くらい。この取材が終わったら、食事をして空港に行かないといけない」

 4月13日、かつて魔裟斗のライバルとして「K-1 WORLD MAX」(以下、MAX)で活躍したブアカーオ・バンチャメークが、5月6日の『RIZIN.42』の追加対戦カード発表記者会見に出席した。K-1から独立したばかりの安保瑠輝也との一戦を発表するとともに、慌ただしい来日スケジュールの合間を縫って取材に応じてくれた。

40歳になった現在も細マッチョな体型を維持

 2004年7月、MAXの世界一決定トーナメントで、初出場ながら小比類巻貴之らを撃破して決勝に進出。魔裟斗を破って初優勝を果たしたが、当時はまだ少年のようなルックスをした22歳だった。彼が繰り出すミドルキックは芸術と呼ぶのが相応しいほど美しく、相手にダメージを負わせるだけの破壊力もあった。MAXのトーナメントに彼の左ミドルは欠かせなかった。ブアカーオに憧れ、K-1の道を志した選手は意外なほど多い。

 一方、ブアカーオがK-1に出場しようと思い立ったときの最初の動機は「魔裟斗のように若い女の子から黄色い声援を受けたい」というものだった。ミーハーだったからこそ、K-1ルールにもアジャストして強くなれたのか。

 時は流れ、そのブアカーオは40歳になっていた。巷では「まだ動けるの?」「さすがに衰えているのでは?」という声も聞く。無理もない。魔裟斗、佐藤嘉洋、小比類巻……。MAXでブアカーオとしのぎを削った選手たちは軒並み引退しているのだ。キックボクシングやムエタイは“おとぎ話”の世界ではない。

 しかしながら、世間のネガティブな意見をブアカーオは「ファンがどう考えようと自由」と笑いながら一蹴する。

「私はいまでもすごくいい練習と準備をしているので、今回の試合でもまだまだ強い自分を見せられると自負しています」

 MAXに出場していた頃のブアカーオの契約体重は70kg。それから18年が経った現在も、彼は同じ体重で闘っている。キャリアを重ねるにつれ、階級を上げることが一般的な世界にあって、20年近くも同じ階級に留まって闘い続けているのは驚異的というほかない。

【次ページ】 自身よりもフレームの大きな選手も苦にせず

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