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伊藤有希「飛ぶ理由を見失った時期を越え、復活へと導いた新たな原動力」
posted2024/11/23 09:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
KYODO
10月の全日本選手権(2戦)、UHB杯、NHK杯と国内で計4試合が行われたスキー・女子ジャンプ。伊藤有希はそのすべてを制した。
「全日本選手権は日本のトップ全員が集まる試合でした。試技まで感覚が合わなくて、誰も私が勝つと想像していなかったと思います。試技のあと、一つ変えたことが噛み合いました。今までの蓄積がなければ変えるという決断、何を変えるかのチョイスも難しいと思います。蓄積したものが活きていると感じますね」
今年30歳を迎えた伊藤が最初に脚光を浴びたのは小学6年生のときだ。国際大会のコンチネンタルカップで3位に入り、史上最年少で表彰台に上がった。世界選手権は中学2年生での初出場から全試合出場。五輪には3度出場し、長年スキー・ジャンプ界の第一線で活躍してきた。だが、当の本人はこう考えている。