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「キープレイヤーは琴奈なんだよなー」何でもできる女子バレーのテクニシャン林琴奈はどうやって生まれた? 元日本代表主将・荒木絵里香が深掘り!
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
posted2024/11/20 17:00
大好評シリーズ動画「Number Volleyball Night」でバレーボール女子日本代表元キャプテン・荒木絵里香(左)がパリ五輪日本代表の林琴奈に迫った
林 最初はただの変な奴だと思われてました。1年生の時はピンチサーバーでしか入っていなくて、2年生からやっとスタートから入るようになりました。2年目はレフト、3年生になってライトをやっていました。
荒木 そのころから両方、どちらでもいけます、と?
林 はい、いろいろとやっていました。
荒木 林選手のレシーブは球質がすごくいい。セッターも上げやすいし、スパイカーもタイミングが取りやすい返球が特徴だと思うのですが、それはどこで磨かれたのでしょうか。
林 中学生の時かな。中学では基礎練習が多くて、3人レシーブでは先生が球を出すのが上手くて、そのレシーブでしっかり先生にボールを返さないと怒られる。結構しんどいのですが、しっかり返すという習慣がついて、そこが一番今に繋がっています。
荒木 とにかく先生の所にピタッと美しいボールを返していた。
林 そうですね、それが大きいかもしれない。あとは落とさないことも3人レシーブでけっこう磨かれたのかなと思います。
1人でできる練習って大事だなと
荒木 その他にも、よかったと思う練習はありますか。
林 1人でやる練習だったら直上とか。自分の真上にボールを上げるのをオーバー、アンダー100回ずつやる。アンダーハンドパスだったら前屈伸を100回しっかりやる。
荒木 え? 前屈伸してアンダーを1人でやり続けるの? え、すごい?
林 今はできないですけど、若い時はやっていましたね。ボールの扱いが上手くなるのかなぁ。自分の上に高くボールを上げて、バービージャンプというか、しっかり床に手をつけて立ち上がってまたボールを上げての繰り返しなど、いろいろとやってました。1人でできる練習って大事だなと。
荒木 それが今のレシーブと球質を可能にしているのですね。そして、定位置に戻るのがとても速いですよね。
林 JTに来てからイニシャルに戻るスピードを速くしろ、準備を早くするよう言われ続けたので、そこは身についたのかな。
荒木 いつも転んでからイニシャルに戻るまでがすごく速いのよ。
林 そうですか。それは無意識です。
レシーブの質以外で今にいきていること
荒木 もう無意識にできる域にまできたってことよ。基礎練習を繰り返し、それで金蘭会中、高と日本一になって。宮部藍梨選手は同世代ですよね。
林 藍梨さんとは中高それぞれ2年間ずつ一緒にやっているので結構長くやらせてもらっています。
荒木 そこで学んだこと、レシーブの質以外で今にいきていることは?
林 中学でも高校でもレフトとライト、どちらも経験させてもらったから今、どっちもできているのかな。ブロックの足のステップやディフェンスの位置取りなどがまったく違うポジションなので。
荒木 確かに、ブロックのステップも、スパイクも、ブロックアウトを取る時の感覚も違いますよね。どちらが好きとかはありますか?