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「久保建英に若い記者たちがサインをねだり…明らかにカオス」インドネシアで日本代表は“アイドル目線”?“中継には映らなかった”舞台ウラ
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJFA/AFLO
posted2024/11/18 17:00
インドネシア戦の前日練習に姿を見せた久保建英、伊東純也ら
インドネシア選手たちは呼び止めをスルーして…
インドネシアの選手たちが日本選手をリスペクトしているのも伝わった。前半35分にオウンゴールで日本に先制点を献上するなど苦しんだDFジャスティン・ハブナー(ウォルバーハンプトン)は試合後に遠藤航のもとへ歩み寄り、ユニフォームを交換した。オランダからの帰化選手である21歳のセンターバックは、1月のアジアカップ・グループリーグ第3戦でも日本戦でオウンゴールを献上しているが、試合が終われば悔しさと一線を画すリスペクトや友好の気持ちがあるのだろう。
ハブナーは今年3月から7月までウォルバーハンプトンからの期限付き移籍でセレッソ大阪に所属していた選手でもある。Jリーグでの出場機会は少なかったが、4、5月に行われたU23アジアカップ兼パリ五輪アジア最終予選にも出場し、インドネシアをプレーオフ進出へと押し上げていた。
今回の日本戦前にも、インドネシアメディア『CNN』の取材に対して、「僕はJリーグを経験しているから、日本のレベルを知っている。相手は格上だが僕らのチームもクオリティは高い。恐れる必要はない」と強気のコメントをしていた。
だが、ロッカールームへ引き上げたのを境に、0-4で敗れた現実に胸を衝かれたのだろうか。ミックスゾーンではうつろな目を見せ、記者陣の呼び止めをすべてスルーして足早にバスへと向かった。
久保建英に現地記者がサインを求め…明らかにカオス
後半17分に交代でピッチに入る瞬間、この日一番の歓声を浴びたのはMFプラタマ・アルハン(水原FC)だった。アルハンはインドネシアの得点源であるロングスローの担い手として大人気の選手で、ブンカルノ競技場にも彼の背番号である12番のユニフォームを着たファンが大勢いた。しかし、得意のロングスローは日本のゴールマウスを守るGK鈴木彩艶の位置まで飛んだものの、決定機にはつながらなかった。
アルハンは2022年、23年の2年間、東京ヴェルディでプレーしていた経験がある。試合後には日本選手と交換したユニフォームを手にして歩く姿も見えたのでミックスゾーンで声をかけたが、笑顔を浮かべながらも取材には応じなかった。
そのミックスゾーンでは日本の3倍ほどの人数のインドネシアメディアが狭いエリアにひしめき、熱気ムンムンで選手がやってくるのを待っていた。平均年齢も若く、活気あふれる記者たちは日本選手を積極的に呼び止めてコメントを取る熱心な仕事ぶりだったが、一方でMF久保建英が目の前を横切ろうとするやいなやサインを求める奔放な様子が見られた。長谷部誠コーチを呼び止めてスマホで2ショット写真を撮っているメディアもいた。ミックスゾーンは明らかにカオスだった。