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プロ野球成績の“最強世代”は松坂大輔世代でも大谷翔平世代でもなく…村田修一や鈴木誠也もスゴいが「野球殿堂、2000安打が各4人」世代とは 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKoji Asakura/Hideki Sugiyama

posted2024/11/17 11:01

プロ野球成績の“最強世代”は松坂大輔世代でも大谷翔平世代でもなく…村田修一や鈴木誠也もスゴいが「野球殿堂、2000安打が各4人」世代とは<Number Web> photograph by Koji Asakura/Hideki Sugiyama

松坂大輔と大谷翔平。1980年度と1994年度生まれのヒーローだが、同学年で名選手が数多くいた世代は鮮烈な印象を残す

 小谷野は中学時代、江戸川南リトルシニアで松坂大輔のチームメイトだった。創価大からドラフト5巡目で日本ハムに入団。長打こそ少なかったがクラッチヒッターで、2010年に打点王を獲得している。1000本安打を記録したのは以上の3人だった。

 梵は日産自動車時代、社会人を代表する遊撃手となり、広島入団後は同世代の東出と二遊間コンビを組んだ。森本は帝京高時代、甲子園で浜田高の和田毅から本塁打を打った。日本ハムでは守備範囲の広い外野手として活躍。渡辺は三菱ふそう川崎からドラフト5巡目で楽天に。遊撃を中心に内野ならどこでも守れる汎用性の高い内野手として、のべ4球団で活躍。40歳までプレーした。

後藤、小池、小山…松坂と横浜高校で戦友の3人も

 松坂が在籍した横浜高からも、チームメイト3人がプロ入りした。

 後藤は法政大を経てプロに。西武の右打ちの強打者として活躍が期待されたが、同タイプの中村剛也の成長もあり、代打の切り札的な存在になった。今季は楽天の打撃コーチ。小池は大技も小技もできる打者として、横浜時代の2005年には20本塁打、リーグ最多の37犠打を記録。来季から中日で打撃コーチを務める。

 松坂と甲子園でバッテリーを組んだ小山良男も亜細亜大、JR東日本を経て2005年ドラフト8巡目で中日に入団。しかし通算9試合の出場にとどまり、ブルペン捕手になっている。

 中軸を打った強打者あり、守備の名手あり、控え選手あり。松坂世代の選手は、野手も実に多様だ。世代間のつながりは強い。近鉄、オリックス、横浜、最後はソフトバンクでキャリアを終えた大西宏明は、今は独立リーグ堺シュライクスの監督を務めているが、こう語っていたことがある。

「僕が大阪市内に焼き肉店を開店した時に、大輔が食べに来てくれたんです。うれしかった」

 松坂世代でプロ野球の一軍の試合に出場したのは、投手41人、野手37人の78人。200勝、2000本安打をクリアした選手はついに出なかった。今後、指導者として業績を上げれば「殿堂入り」する人も出てくるかもしれないが、今のところ厳しい状況だ。

松坂世代以上にスゴい「1946年度生まれ」

「世代」という見方が一般的になったのは「松坂世代」からだと思うが、学年で切る「世代」という観点で見ると「松坂世代」をはるかに上回るのは、1946年度生まれの世代だ。成績的に見ると「衣笠、山本浩司世代」と表現するべきか。

【次ページ】 松坂世代以上にスゴい「1946年度生まれ」

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