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「早明戦だけは別物なんだ」。ワセダ山中亮平とメイジ田村優が語る、“猛き攻防の記憶”。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byShunsuke Ida

posted2024/11/20 15:00

「早明戦だけは別物なんだ」。ワセダ山中亮平とメイジ田村優が語る、“猛き攻防の記憶”。<Number Web> photograph by Shunsuke Ida

田村も山中も…思い出深い2008年の早明戦

 田村にとって、4年間の早明戦で誇らしいことがある。プレースキックを高確率で成功させていることだ。

「4年の時に1本外しただけです。角度の難しい位置もありましたけど、ほとんど入れました。早稲田にはとにかく勝ちたいですし、お客さんも多いですから、本当に全部決めたかった。早明戦に向けて、きっちり準備して臨んだという記憶があります」

 対する山中は、対戦を重ねるうちに田村に対するリスペクトの念が湧いてきた。

「高校時代は知らなかったんで、1年の時に試合した時は、正直、『知らんけど』みたいな感じでした(笑)。でも、やっぱり上手いのが分かるんです。同じ学年でこんな選手がおったんか、と思いましたね。当時は早稲田と明治ということもあり、個人的なつながりはありませんでしたが、1年生から明治のレギュラーで、4年間対戦している間に自然とリスペクトの気持ちが芽生えました」

 4年生の時には大学選手権でもぶつかり、都合5度の対戦があったが、田村にとってとりわけ思い出深いのは2008年の早明戦だ。

「2年生の時は、2勝4敗で早明戦を迎えて、大学選手権に出られないことが決まっていたんです。明治にとって、選手権に出られないというのはなかなか大変なことで……。でも、当時の4年生の先輩方にはすごくお世話になったこともあり、先輩たちのためにも、シーズン最後となるこの早明戦だけは絶対に勝ちたいと思いました」

 この試合、劣勢を予想された明治が24-22で勝つ。

「いまだにあの試合のことは鮮明に思い出せます。単なる対抗戦の1試合じゃなかった。出場した早明戦の中でも特別なものでした」

 山中にもこの試合の記憶が刻まれている。

「明治の気合いがすごかった。なんかもう、大学選手権の決勝とか、そんな勢いがあって完全に飲まれてしまいました。早明戦は明治の応援がすごいですし、アウェイの雰囲気もありましたね。早明戦だけは別物なんだと実感しました」

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