核心にシュートを!BACK NUMBER
「マチノはゴールマシーンだな!」ドイツで5発だけでなく…日本代表選外・町野修斗“覚醒の2項目”とは「FWとして乗ってきてるのかな」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byDPA/JIJI PRESS
posted2024/11/08 11:06
今季ドイツで5ゴール。町野修斗はトレードマークの「忍者ポ-ズ」とともに、FWとして着実に実績を積んでいる
全シュートのうち80%を枠内に飛ばした。
「それは知らなかったですけど」
町野にデータを伝えると、相好を崩してこう答えた。
「(枠内に飛べば)キーパーがはじいて、レバークーゼン戦のようにゴールにつながることもあるので嬉しいデータですね」
レバークーゼン戦では、町野が左サイドからのカットインシュートを放ち、そのクリアボールで手にしたCKからゴールが生まれた。カットインからのシュートを得意としているのは、中学時代に左サイドハーフを任されていたときに繰り返していた練習が原点としてあるからだ。
FWとして乗ってきているのかなと
ラップ監督の求めるタスクをこなしながらゴールを決めるのは簡単ではない。
ただ、求められるタスクの多彩さは成長を促してくれる。そして、自身をこれまで育ててくれた恩師たちのもとで必死に取り組んできたことが今につながっていると感じさせてくれることもある。
「そういう意味では、フォワードとして乗ってきているのかなとは感じたりしますね」
しかし、ブンデスリーガ得点ランク3位タイで迎えた10月、日本代表のメンバーに町野の名前はなかった。最後に代表に招集されたのが2023年3月のコロンビア戦だから、1年半以上も離れている。さらに今回の代表発表直前のハイデンハイム戦で今季初の出番なしに終わり、インドネシア戦と中国戦に臨む11月シリーズも未招集となった。
悔しさがないわけがない。
それでも、全てを決めるのは監督だ。現状では代表のセンターフォワードを任されている上田綺世が、ケガさえなければ優先順位が高いということだろうし、途中出場から次々とゴールを決めている小川航基は上田や町野以上にクロスに合わせる際の強さを兼ね備えている。
あるいは、9月のバーレーン戦後に守備を担当する斉藤俊秀コーチがヨーロッパ視察に訪れていたが、攻撃担当のコーチたちが町野を現地で視察していたら、何か違ったかもしれない(前田遼一コーチらは、10月の代表戦後に渡欧した)。
僕はただ、自分にフォーカスを向けて
もちろん、町野にはハンデがある。
第2回で紹介したように、日本サッカー協会の拠点があるデュッセルドルフ近郊の都市であれば、オランダやベルギーのクラブであっても、監督やコーチは気軽に練習も見に来られる。ただ、ドイツの北の果てとも言える場所にあるキールに足を運ぶのは簡単ではない。そもそも、森保一監督を筆頭にスタッフは町野の試合映像をチェックしているわけだから、現時点ではまだ、そういう評価であることを受け止めないといけない。
全てをわかっているから、町野はこう話す。