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「(水原一平事件で)オオタニを疑う報道もあったよね…」ドジャース現地ファンに聞いた“大谷翔平への本音”「ベッツとオオタニが話すシーンが大好きさ」 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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posted2024/11/06 11:46

「(水原一平事件で)オオタニを疑う報道もあったよね…」ドジャース現地ファンに聞いた“大谷翔平への本音”「ベッツとオオタニが話すシーンが大好きさ」<Number Web> photograph by AFLO

10月8日、パドレスとの地区シリーズ第3戦前に談笑する大谷翔平(30歳)とベッツ(32歳)

 開幕から41打席目で1号ホームランを放った大谷は「焦る気持ちを我慢しながら自分のスイングをしようと努めてきた。1本出てよかった」(NHK NEWS)とコメントした。以降、ドジャースの「1番DH」に定着。最終的に40-40、50-50を達成し、本塁打王と打点王を獲得した。ワールドチャンピオンにまでたどりついた。再びデクスターさんの言葉だ。

「今季のベストシーンは、間違いなく40-40クラブ入りを果たしたサヨナラ満塁本塁打だね。あの日は家族と一緒にテレビで観戦していた。同点の9回裏にランナー満塁でショウヘイが打席に立った時、絶対に打ちそうな予感があった。それで父と母に『たぶんショウヘイは打つよ。見てて……』と言った瞬間、彼は本当に打った。家族の様子? 少しの間、無言だったよ。なんというか怖さを覚えたんだ。『本当に打つのかよ……ウソだろ?』って。時が止まったようだった」

「ベッツとショウヘイが話すシーンが大好きさ」

 思えば激動の1年だった。開幕当初に通訳だった水原一平氏の賭博スキャンダルが発覚し、最後は負傷しながらもワールドチャンピオンで締めた。デクスターさんも「ショウヘイは色々大変だったよね」と言い、大谷のシーズンをこう総括した。

「ショウヘイは間違いなく無実だろうと思っていた。エンゼルス時代にチームメイトから愛される姿も見ていたから。それで人のすべてを理解できるわけではないけど、他の選手と話している姿を見れば、その人が誠実かどうかはなんとなく伝わってくるよ。彼の(ギャンブルへの)関与を疑う報道もあったけど、無実が証明されるのは時間の問題だと思っていた。

 ドジャースでのキャリアの船出に、彼がそのような最悪の状況に対処しなければならなかったことは、心苦しかったよ。でも、それに惑わされることなく活躍した。それが、彼の精神的なタフさを証明した格好にもなったよね。僕はベッツが大のお気に入りの選手なんだけど、そこにショウヘイも加わった。だから今は、2人が話していたり、仲良さそうにしていたりするシーンを見るのが、たまらなく好きなんだ」

 デクスターさんは今、アリゾナ州立大学でスポーツビジネスを専攻している。「なんとなくスポーツ関係の仕事につきたいと思っていた」という将来像が、こう変わった。

「ショウヘイを見て、スポーツエージェント(代理人)になろうと決めたんだ。彼のような選手が才能を発揮して、それをファンが堪能するためには、“プレー以外”の業務を任せられる人が必要だよね。野球に集中してもらうためにも。チームやスポンサーとの交渉もそうだし、メディア対応だってそう。そういうところを代わりに担う人がいるから、僕はショウヘイを目撃できた。ショウヘイには本当に感謝しているんだ。夢のことはまだ親に言えてないんだけどね」

<前編から続く>

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「正直、オオタニに不安もあったよ」ドジャース現地ファンに聞いた“大谷翔平への本音”「野球に興味がない人もオオタニを見に来る」「1015億円は正当化されたね」

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