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「誇りに思う」「素晴らしい大人の男性に成長」コーチは号泣…初のGPメダル獲得、島田高志郎の背中を押した“ステファン・ランビエルの言葉”
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2024/11/06 17:00
フランス杯で2位となり、GPシリーズ初メダルを獲得した島田高志郎
「一番倒すべきは自分」島田高志郎の思い
6位だったスケートアメリカと、ここでの2位で彼の今季GPシリーズは終了した。次の挑戦は12月の全日本選手権になる。
「日本男子楽しいですね。競技者としても、1スケートファンとしても、楽しい興味深い状態にあると思います。でも1個人としてはまだまだ点数的には、代表に選ばれる位置にいるとは思っていない。結構自分の立場をわかっているつもりではあるので……そこを食らいついていこうと思っているので、一番倒すべきは自分。自己ベスト更新という目標はまだ達成できていないので、そこを目標に全日本に向かっていきたいと思っています」
島田はそう言葉を結んだ。
アダム・シャオ・イム・ファが“史上初の逆転劇”
この大会で逆転優勝を果たしたのは、欧州王者のアダム・シャオ・イム・ファだった。6月に靭帯を負傷して、トレーニングに戻ることができたのはこの試合のわずか5週間前だったという。SPでは2度転倒し、まさかの8位スタートに。フリー「デューン」では決して本来の演技ではなかったものの、4回転と3アクセルをそれぞれ2回ずつ成功させて、フリー171.68、総合246.58を獲得。8位からの逆転優勝は、GP大会史上初のことだ。
「昨日は怪我から復帰したという気負いで、自分にプレッシャーをかけすぎたのだと思います」と安堵の笑顔を見せた。
SP、フリーとも4位だったアメリカのアンドリュー・トルガシェフが総合3位に入った。フリーで世界初の3アクセル+4トウループを成功させたカザフスタンのミハイル・シャイドロフは、他のジャンプミスが出て総合4位。股関節の痛みを抱えて挑んだ友野一希はSP3位スタートだったが、フリーではミスが続いて総合5位だった。
今週末は、いよいよGP第4戦目、NHK杯が東京で開催される。