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「オオタニに息子が目を丸くしてたよ」鉄人フリーマン…大谷翔平とベッツの後ろで頼れる“良きパパ”かつ「じつは155km投手だった」二刀流への敬意 

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photograph byDaniel Shirey/Getty Images

posted2024/10/27 17:34

「オオタニに息子が目を丸くしてたよ」鉄人フリーマン…大谷翔平とベッツの後ろで頼れる“良きパパ”かつ「じつは155km投手だった」二刀流への敬意<Number Web> photograph by Daniel Shirey/Getty Images

大谷翔平、ベッツに続く「MVPトリオ」のフリーマン。鉄人であり良きパパとしても知られる

 フリーマンは高校時代に最速155km/hのフォーシームを投げ込む才能の持ち主だった。しかし四竃衛記者の2021年オールスター時の取材によると、フリーマン本人が二刀流をもしやったら? という記者陣の問いに対して「腕が吹っ飛ぶよ」と冗談めかしたように――打者に専念して07年ドラフト2巡目でブレーブスに指名された。

 冒頭の言葉を筆頭に、ブレーブス時代からフリーマンは大谷の二刀流を称え続けてきた。投手経験のある大打者として、二刀流へのリスペクトは心からのものだろう。

息子がずっとオオタニの打撃を見ていたよ

<名言2>
息子を連れて、グラウンドで一緒にダービーを観ていたんだ。彼は目を丸くしてずっと大谷のバッティングを見ていたよ。
(フレディ・フリーマン/Number1035号 2021年9月9日発売)

◇解説◇
 フリーマンを語る際、よく話題になるエピソードが「家族」である。両親はともにカナダ人。母親は皮膚がんでフリーマンが10歳の時に亡くなっているが、ワールドシリーズ第1戦でサヨナラ満塁本塁打を放った際にはスタジアムで観戦した父と喜びを分かち合うなど、絆の深さを感じさせる。

 さらに妻は俳優でもあり、2人の間には3人の子供がいる。2024年3月31日のカージナルス戦では、山本由伸のアメリカ初登板前に長男チャーリー君が始球式で登場し、ストライク投球に笑顔を浮かべる父親の姿があった。

 そんなチャーリー君、じつは熱心な「オオタニ・マニア」なのだという。そのきっかけは前述した2021年オールスター前日に行われたホームランダービーである。家族と一緒に和気あいあいとグラウンドレベルで見る選手が多いが、パワーヒッターとして開花した大谷の打撃にチャーリー君の心はときめいたようだ。それは打撃だけでなかったようで……。

「チャーリーはピッチングもバッティングも大好きだから、ショウヘイの熱狂的ファンにならないわけにはいかないよね」

三男の難病に心を痛めた数カ月後のドラマ

 その一方で今季のフリーマンには7月、つらい出来事があった。三男のマックス君が難病のギラン・バレー症候群に感染して緊急入院したのだ。愛息の回復を優先してチームから離脱し、戦線復帰した際には「あの光景を見るなら、ワールドシリーズ第7戦の9回裏二死満塁で3億回三振する方がいい」と語ったという。大谷やベッツ、山本由伸らチームはこの出来事を受けて「#MAX STRONG」とデザインされたTシャツを練習中に着用して、三男にエールを送ったことも知られている。

 そんなフリーマンがワールドシリーズの二死満塁でヒーローとなる。ドジャースタジアムが爆ぜ、大谷やベッツら盟友が喜びをあらわにし、殊勲の35歳を祝福する。これもまた映画のような現実だった。

 ドジャースはワールドシリーズ2連勝を飾った一方で、大谷が7回に狙った盗塁の際に左手を痛めた様子で、〈肩が……〉と本人のマイクに拾われるほどだった。チームが迎えた再びの危機に、フリーマンらはどう敵地ニューヨークで奮起できるか。

〈大谷翔平とドジャース特集:つづく〉

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