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大谷翔平を褒めまくるジャッジ…その本音は? 4カ月前のドジャース戦後、NY記者に苦笑いした理由「ワールドシリーズで対戦できたらすごいことだね」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2024/10/26 06:54
米メディアも注目するジャッジvs大谷の夢対決。両者にとって初となるワールドシリーズは、どんなドラマが待っているのだろうか
もっとも、“コンプリートプレーヤー”という点ではジャッジも同じ。パワーが特筆されることが多いジャッジだが、打撃では確実性を備え、守備では重要なセンターを守ることもあるオールラウンダーである。
ヤンキースタジアムでヤンキースとドジャースが対戦した6月9日、三塁走者だった大谷が浅い右飛で犠飛を狙いホームを陥れたことがあった。その日は右翼を守っていたジャッジが投じた93.4マイルの好返球でギリギリのタイミングになるかと思いきや、スプリントスピード秒速29.4フィートで駆け抜けた大谷が生還。ジャッジの強肩、大谷の俊足が交錯し、両者の稀有な能力を改めて思い知らせたシーンだった。
その試合後、ジャッジが苦笑い。「彼はスピードスターでもあり、素晴らしいアスリートだ」とほとんど嬉しそうに話していたのが思い出される。こんなワクワクするようなシーンがこれから1週間〜10日間、何度展開されるのだろうか。
“大谷とワールドシリーズで対戦できればすごいことだね”。7月の取材時、ジャッジに最後にそう水を向けると、「本当にその通りだね」と32歳の好漢は笑顔でグータッチを求めてきた。それから、約3カ月――。
運命の糸に導かれた2人のコンプリートプレーヤーは、すべての野球人にとっての最高の舞台、ワールドシリーズで激突する。“10月の再会”が現実のものとなり、ドラマチックで、崇高感すら漂う、最高級のベースボール・エンターテイメントがまもなく始まろうとしている。