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「そろそろ、“NBAの一番上”が見たい」八村塁26歳、名門レイカーズで愛される日常…話題の新コーチと親友ラッセルが語る『ルイが必要な理由』
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2024/10/21 06:00
NBAで6シーズン目を迎える八村塁。新生レイカーズでの開幕戦は、日本時間23日午前11時、ティップオフ
レディックのもとでのやりやすさを語る言葉の裏には、はっきり口には出さないものの、前ヘッドコーチのダービン・ハムから理解されていなかったというフラストレーションがあったことが透けて見える。
何にしても、それはすでに過去のこと。八村はもう前を向き、今シーズンに集中している。試合中は真剣だが、ロッカールームではリラックスし、笑顔も増えてきた。チームメイトとの仲間意識も、シーズンごとに強くなっているようだ。
「夏の間も、チームのみんなと連絡を取り合って、バスケットボールについて話をしてきた。ブロン(レブロン)やAD(デイビス)はオリンピックにいたし、D-Lo(ラッセル)とバンド(ジャレッド・バンダービルト)はオリンピックを応援しに来てくれた。ケミストリーは最高だ。これからさらによくなっていくと思う」
“良き相談相手”のラッセル
たとえば、パリに応援しに来てくれたというラッセルは八村にとっていい相談相手だという。
「彼(ラッセル)はこのリーグに10年ぐらいいるし、色々なことを経験してきた人だ。だからアドバイスが欲しいときには彼に聞くし、いつでもいいアドバイスをくれるんだ」と八村が言えば、ラッセルは、「彼はコート外でもいっしょにいて楽しい。エナジーがあふれているし、気持ちを盛り上げてくれて、楽しい時間が過ごせるからね」と、チームメイトの目から見た八村を描写した。
ラッセルはさらに、コート上での八村が取り組んでいることについても話してくれた。
「彼はいつでも自信に満ちている。だから、彼が得点をあげる自信を持つ一方で、チームが勝つためのプレーをするように、そのバランスをうまく取れるように助けている。得点をあげる日もあれば、スタッツには表れないような小さなことをやる日もある。そのメンタリティを保てるようにね。彼のおかげで勝てる試合はたくさんあるだろうし、それは必ずしも得点だけではないということ。そういった正しいマインドを持ち続けるようにすればいいと思う」
NBAに入った直後の、すべてが新鮮だった段階を過ぎて、すっかりまわりと馴染んだ“6年生”の風格を感じさせる八村。チームメイトやコーチとともに強いチームを作り上げていくという新しいチャレンジを突き詰めた先には、どんな世界が待っているのだろうか。