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「バンタム級最強は誰なのか?」長谷川穂積に聞く“日本人王者のガチ評価”…堤聖也を絶賛「結局ね、ボクシングって覚悟が強いほうが勝つんです」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byNaoki Fukuda

posted2024/10/20 11:05

「バンタム級最強は誰なのか?」長谷川穂積に聞く“日本人王者のガチ評価”…堤聖也を絶賛「結局ね、ボクシングって覚悟が強いほうが勝つんです」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

下馬評を覆してWBA世界バンタム級王者となった堤聖也の「覚悟」を絶賛した長谷川穂積さん

井上拓真にとっても“成長できた試合”だった

 一方の拓真はこの試合に勝てば中谷と統一戦というレールが敷かれていた。バンタム級で最も評価の高いWBC王者に勝利すれば、追いかけ続けてきた偉大な兄、尚弥に一歩近づくことができる。堤戦をクリアすればそのチャンスを手にできるのだ。拓真のモチベーションは高く、覚悟だって十分にあった。

「たぶん堤選手のやりにくさ、気迫は拓真選手の予想を超えていたんじゃないですかね。拓真選手はさばけると思っていたと思うんです。でも、さばけなかった。堤選手のしつこいボクシングに巻き込まれてしまった」

 拓真は持ち前の技術を発揮してベルトを死守しようとした。堤の気迫に為す術なくのみ込まれたわけではない。10ラウンドにダウンを喫した直後の11ラウンド、長谷川さんは拓真の姿に目を見張った。

「拓真選手は11ラウンド、覚悟を決めて前にいったんですよ。カーンって鳴ったらパンチを思い切り振って、殴り合いじゃないですけど荒々しく攻めていった。あれ、自分のボクシングを捨てたんです。僕にはそう見えました。ああいうことができたということは、拓真選手にとっても、一つ成長できた試合だったんじゃないかと思うんです。ほんと、いい試合でしたね」

 拓真と中谷による統一戦プランはひとまず消滅したが、堤の登場でバンタム級戦線はさらに活況を呈してきたと言えるだろう。後編ではこの階級をリードする中谷、そして期待のホープ、那須川に目を向けていきたい。

<後編へ続く>

#2に続く
長谷川穂積が語る「中谷潤人のここがスゴい」井上尚弥と対戦なら勝算は…? 那須川天心にも金言「僕も世界王者になるまで判定ばかりだった」

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