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レッドブル幹部が初めて語った「なぜ大宮だったのか?」「クラブ名、カラーはどうなる?」…変革封印「1時間のメディア会合」で示した“本気度” 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2024/10/18 17:02

レッドブル幹部が初めて語った「なぜ大宮だったのか?」「クラブ名、カラーはどうなる?」…変革封印「1時間のメディア会合」で示した“本気度”<Number Web> photograph by Getty Images

レッドブルサッカーのテクニカルダイレクターを務めるマリオ・ゴメス氏。現役時代はドイツ代表のストライカーとして活躍した

「彼らは互いを尊敬する、文化を尊重する、色々な場面で助け合う、といった姿勢を見せていました。サッカーで言えばチームへの献身性であり、高い志を持ちながらピッチの内外で日々努力を重ねていた。そういったところに、私はとても感銘を受けたのです。私たちレッドブルサッカーのフィロソフィーにマッチすると考えて、日本を選びました」

気になる「クラブカラー」と「チーム名」については…

 レッドブルグループのサッカークラブは、ほぼ例外なくホームカラーに「赤」を採用している。オレンジとネイビーをクラブカラーとしてきたアルディージャに対しても、同様の措置が取られるのか。フィリップ氏が最初に口にしたのは、トップチームへの配慮だった。

「みなさんにお伝えしたい気持ちはありますが、いまはまだ早いと考えています。なぜなら、明日非常に重要な試合がありますので、まずそこにフォーカスしたい。少し落ち着いた段階で、時期を見てしっかりとお伝えしたいのです」

 そのうえで、プロパティについての基本的な考え方に触れた。

「いままで大宮アルディージャとして築き上げてきたものを、しっかりとリスペクトしたい。その一方で、我々のグローバルネットワークのなかに大宮アルディージャがあるということも含めて、目で見て分かる、感情的にも分かるロゴにしたいと考えています」

 ここでは「ロゴ」としているが、クラブカラーやエンブレム、マスコットキャラクターなどについても、スタンスは同じだと理解していい。同じ埼玉県内にホームタウンを置く浦和レッズのクラブカラーは、RBももちろん把握している。ちなみチーム名については、「大宮アルディージャという名前を残したい」とフィリップ氏が明らかにした。

「いままで築き上げたものをリスペクトしながら」

 トップチームはギャザリング翌日のJ3リーグ第32節で、福島ユナイテッドFCを3対2で退けた。この勝利で通算成績を23勝7分2敗の勝点76とし、残り6試合の段階で2位以内を確定させた。1シーズンでのJ2復帰を果たしたのである。

 RBは8月に株式譲渡が公表された時点で、早期の現場介入はしないとチームスタッフ、選手に伝えている。まずはJ2復帰とJ3優勝へまい進してもらいたい、との配慮である。

 さて、来シーズンはどうなるのだろう。就任1年目でミッションをクリアし、J3優勝に大手をかけている長澤徹監督と彼のスタッフはどうなるのか。チーム編成はどうなるのか。

【次ページ】 RBが「変革のビジョン」を封印した理由

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