「基本的には出雲を走ったメンバーが中心です。経験も豊富だしね。でも、国学院、駒澤も強いので、この調子では区間距離の長い7区、8区に選手を温存しておくわけにはいかないでしょう。頭から、たすき際に強い選手を並べていかないと」

　それに加えて、4年生の奮起を促したいという。今回の出雲では、2区の野村昭夢、5区の若林宏樹と、4年生が競り合いのなかで結果を残せなかったからだ。

「まだ、4年生が甘い気がするなあ……。どこかで『勝てるんじゃないか』という漠然とした自信があったような気がする。これで今年は甘くないということが分かって、引き締まってくれればいいんだけど」

1位でゴールする国学院大の平林清澄（4年）。国学院大は出雲駅伝5年ぶり2度目の優勝を果たした　©Nanae Suzuki

「今日は…30点かな」

　三冠の夢は消えた。しかし、全日本、箱根と混戦模様となり、見ている方としては楽しみは増える。

「もちろん、ウチも弱いことはないですよ。全日本、箱根と国学院、駒澤、そして青山学院の3強が基本の構図でしょう。それにしても、国学院は勢いあるね。平林君、強い。いいキャプテンだと思いますよ。それに駒澤も立て直してきたね。シーズン序盤は鳴りを潜めてたけど、しっかり戻してきた。今日だって、佐藤圭汰君（3年）がいたら、序盤のレース展開が変わってたでしょう。それにもう1校、気になる学校があります」

　原監督が挙げたのは、箱根駅伝予選会に回っている中央大学だった。

「今年の中央は充実してます。夏のトラックシーズン、すごく良かったですよね。予選会では主力が走らないようだけど、どれくらいの実力があるのか。全日本で手合わせするのが楽しみです」

　そして肝心の青山学院は、どう立て直していくのか。

「今年はトラックでのスピードを重視してきましたけど、駅伝はやっぱり走りこまないと強さを発揮できない。それを痛感しました。今日の点数は……30点かな」

閉会式を終え、引き揚げる青学大の原監督と選手たち　©JIJI PRESS

　厳しい採点となったが、それでも次戦に向けての戦略は描いている。

「青山学院の強さは6人の出雲より、8人の全日本、8人の全日本より、10人の箱根の方が発揮できる。それに距離が長くなればなるほど、学生たちも練習の成果を表現できるはずです。そのあたりには自信を持ってますけど、今年も甘くないということを肝に銘じて戦うということです」

　次戦は11月3日、文化の日の全日本大学駅伝だ。