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大谷も6打数無安打3三振で“お手上げ”快投のダルビッシュ有が20年目で「だからここまで頑張れる」原動力とは…「“Beat LA”を広めたい」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2024/10/14 17:00
ポストシーズン初の日本人投手同士の投げ合いにこそ勝てなかったが、円熟の投球でファンをうならせた
迎えた6日の第2戦。敵地の異様なムードの中で、ダルビッシュは大谷の狙いをことごとく読み切ったかのように、左右高低に多彩な球種を散りばめた。第1打席に外角からのスライダーで空振り三振を奪うと、第2打席はスプリットでバットを折って一ゴロに仕留めた。さらに、第3打席は大谷が驚いたように手を出したカーブでボテボテの投ゴロと、3打席とも異なる球種で、外野にすら打球を運ばせなかった。何よりも、公式戦中には見られないような中途半端なスイングこそ、大谷の「混乱」の一端だった。
終わってみれば、わずか82球で7回3安打1失点にまとめ、敵地での快勝劇に導いた。
「とにかく球種だけじゃなくて、反応を見ながらですけど、セットに入ってから長く持ったりとか、足を上げている時間をちょっと変えたりとか、そういう工夫はしてました」
公式戦終盤から絶好調を維持していた大谷の連続安打試合を「13」で止めただけでなく、対戦成績を1勝1敗のタイに戻し、シリーズの流れを変える快投だった。
「お手上げ」の表情を浮かべた大谷
第5戦でも「大谷封じ」は完璧だった。互いに「目礼」して迎えた第1打席は内角へのスライダーで空振り三振、第2打席は外角寄りのカットボールで三飛、そして第3打席は外角への縦割れのカーブで空振り三振。ベンチへ向かう大谷が「お手上げ」の表情をにじませるほど、まさに手も足も出させない投球術だった。
試合に敗れ、シーズンが終わった悔しさは残った。だが、大谷との対戦に関しては、納得できる内容でもあり、確かな手応えも感じた。