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大谷翔平にベッツが“ついに本音”「ショウヘイの後ろを打つ…どうすればいいのか」ドジャースの天才が吐露した「自分より上の選手がいる」苦悩
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byAP/AFLO
posted2024/10/11 06:00
ドジャース打線の軸となる1番・大谷翔平、2番・ムーキー・ベッツ
「僕がオオタニと競走して勝つ可能性は、ノーチャンスだね。誰と競走しても彼が勝つよ」
吐露した本音「どうすればいいのか」
ベッツにとって今季は激動のシーズンだった。長年慣れ親しんできた右翼のポジションから二塁手に本格的に転向することになり昨オフから守備練習に取り組んできたが、開幕直前で急遽、遊撃をやってくれと言われて引き受けた。しかし、いくら右翼手としてゴールドグラブ賞に6度輝いた守備の名手でも、最も負担が大きい遊撃をほぼぶっつけ本番でこなすのは並大抵のことではなく、シーズンに入ってからはミスが目立った。そうこうするうちに6月16日の試合で死球により左手を骨折。長期離脱し8月12日にようやく復帰したときには遊撃ではなく再び右翼に戻り、打順は大谷とスイッチするかたちで2番に移ることになった。
2014年のメジャーデビューから10年間、出場試合の約80%でリードオフを打ってきて、今季も骨折離脱まで一貫して1番だったベッツにとって、2番への転向もまた簡単なタスクではなかった。しかも積極的に走る大谷の後ろを打つ難しさは、それまで経験したことのないものだ。
密かに悩みを抱えていたのか。ベッツは、自身がホストを務めるポッドキャスト「オン・ベース」の9月中旬の配信で、ゲストに呼んだブレーブスのオジー・アルビーズ内野手にこんな質問をしている。
「オジー、君はアクーニャの後ろを打っていたよね。僕は今、ショウヘイの後ろを打っている。それで2番打者というものを学んでいるんだけれど、ショウヘイが一塁にいるとき、彼が走るまで待たなければいけない感じになるよね。そんなときどうすればいいのか教えてほしい」
“打って走る”大谷の後ろを打つ苦悩
アクーニャというのは、昨季41本塁打、73盗塁という驚異的な数字を残しナ・リーグMVPに輝いたブレーブスのロナルド・アクーニャJr.外野手のことだ。アルビーズは答えた。
「アクーニャはこう言ったよ。僕は1球目で走る。もし1球目で走れなくてそれがボールだった場合は、もう1球走るチャンスをくれと。だから僕は、1ボール1ストライクのカウントまで走りたいんだね、全然問題ないよと返事をして、互いの意識を確認し合った。あるとき、盗塁を執拗に警戒してくるような相手と対戦したんだけど、そのときアクーニャはまた言ったんだ。相手は僕が盗塁をするつもりだと思っているはずだから、たぶん速球を投げてくる。そのときは思い切り打ってくれとね」
大谷やアクーニャのような選手の後ろを打つことは苦労もある代わりにメリットもあると指摘しながら、アルビーズは続けた。